おっさんから中学生を守ったおっさんの話を読んだ。わたしにも語らせてほしい。
何年か前の夏の夜、中央線に乗った。上野原駅のあたりで、扉ぎわに立っていた女性に、酒に酔った怪しいおっさんがしつこく絡みはじめた。女性はあきらかに嫌がっていた。
わたしは持っていたアルミ製のフライロッドケース(2ピース用、長い)で、遠くからおっさんをつんつんして、小さな声で「やめなよ」と震えながらささやいた。
だって本当は怖かったから。
怪しいおっさんは、あとから登場した長いものを持ったもっと怪しいおっさん(わたし)に少しひるんだ様子だった。
電車が次の駅のホームにすべりこむと、女性は足早に降りていった。そのとき「ありがとうございます」とわたしに言ってくれた。
あとには怪しいおっさんと、もっと怪しいおっさんが残った。
車内へひじょうに気まずい空気が流れた。
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電子化雑誌の定額読み放題サービス、d/マガジンについて、雑誌好きなもので月額400円で200誌読み放題だ、わーい、と2ヶ月やっていた。このままいくと、人生雑誌だけ読んで終わることが判明。あともちろん200誌全部読みたいわけでは全然ないことも、よーくわかった。
電子化雑誌の定額読み放題サービスは、雑誌を読み流すほうからすればわりとパラダイスだが、雑誌つくるほうからすれば、執筆、制作、編集、印刷、流通すべての面においてスーサイドなのは明らか。
「読み捨てられる雑誌のように 私のページがめくれるたびに 放り出されてしまうのかしら」と 16歳だった伊代ちゃんは歌った。37年前からずっと、雑誌は読み捨てられる宿命をもった生き物だったのだ。
だったらうちは捨てられない本を作ればいい。
「センチメンタル・ジャーニー」はたぶん今でも振りつきでフルコーラス歌えるのは内緒だ。おっさんきもい。
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『池の水ぜんぶ抜く』が子どもに「外来種駆除」は教育上よろしいか? 〈外来種だからすべて駆除という考え方は極端〉〈在来種か外来種かのみを基準とするのは、生態学的にも疑問〉〈テレビで面白おかしく放送することでもない〉〈殺生を正当化した番組のほうが、外来種よりも悪影響〉
(週刊新潮 8.9号) この記事はd/マガジンで見つけた。
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次号特集用の原稿依頼を次々と。ていねいに仕込んで熟成させた企画をいよいよ発進させます。夏休みの宿題ということで、皆さんよろしくお願いします。
次号115号で「本当に使えるフロータントはどれだ」をやろうと思ったけど、第65号(2004)で「市販フロータント31商品の性能テスト/顕微鏡拡大/ユーザー本音炸裂座談会」をやっている。事情変わってるから再検証の意味はあるかもしれない。ただ全部を買うので、とてもお金がかかるし、ああいう生々しい企画をやると各方面から怒られるわりに、読者さんからの評判がそんなにかんばしくない傾向がある。ちょっと考え中。