クマとの向き合い方、考える
朝日新聞 2019/04/04
堅苦しい専門書とはちょっと違う。里山や町中にすら出没し、人と衝突するリスクをはらむクマもいれば、絶滅寸前の個体群もいる。 …身を削ってクマという対象に肉薄しようとする、専門家の熱い思いや、生物研究の面白さも味わえる一冊だ。
朝日新聞さんが『ムーン・ベアも月を見ている』のとてもすばらしい書評を載せてくれました。紙面カラー。カバーの色鮮やかなクマのイラストが目を引きます。ご紹介ありがとうございます。
巨大な研究用具を背中にかついで険しい山や谷で野営したり、かすかな発信音を頼りに不眠不休で何百キロも四駆で林道をトレースしたり、あげく山のなかでクマと鉢合わせしてクマ避けの唐辛子スプレーで自爆したり、経済的にもなかなか恵まれていなかったりと、たしかに身を削ってクマを追いかけている感のある〈クマの人〉たち。
でも『ムーン・ベアも月を見ている』に登場している〈クマの人〉は、著者の山崎さんはじめ、みんな楽しそうです。
『ムーン・ベアも月を見ている』で、わたしたちに身近な〈クマ〉の存在と、長い目で見たクマとのつきあい方、クマのことが大好きで、いろいろけっして諦めない〈クマの人〉たちの生態に興味をもってくださるとうれしいです。