スマホ川ぽちゃ、その後の顛末。
役所と銀行とドコモショップは世の中で一番苦手。扉の前に立つだけでドキドキして冷や汗が出る。
立て板に水でペラペラ喋る式の、ドコモの若いイケてるお兄さんが出てきた。ぜんぜんだめ。抵抗できない。まな板の上の昭和。お兄さんに導かれるがまま、3年間の分割払いで最新スマホを新規契約してしまった。おかねないのにな。
「あなたが川ぽちゃしたのは旧式の6sですか。それとも最新式で防水のXですか」
「(迷わず)Xです」
新しもの好きのおじいちゃん。
ドコモのお兄さん、高額スマホをあっというまに契約成立できたことで、気を良くしたのだろう。このおじいちゃん、ネギ付きと思ったらしい。よりいっそう爽やかに、
「あ、そうだ。まだおすすめがあるんですよ。お得なdカードって知ってます?」
と営業かけてきた。
あ、いえ、カードはいらな…。 わたしがモジモジしていたら、
「あ、そうだ。iPadって知ってます?」
初代出た日に買ったよ! と心の中で叫ぶ。
こっちは君が生まれる前からMac使いなんだよ。Appleが潰れそうな時に支えてやったのはうちら世代なんだよ。Performaとかセントリスって知ってる? 漢字Talkだよ? ことえりだよ? システムクラッシュだよ。いきなり爆弾マーク登場で制作途中のデータぜんぶ消えるんだよ。
IT系全然分からなくて使いもしないくせにデジタルガジェット大好きで、いまおれんちにはくさったタブレット合計6台あるの知ってる?
と、心の中で叫ぶ。
おじいちゃん、お帰りはあちらですよ。
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自宅へ帰って妻に報告したら、保険を使って今までと同じ6sにしとけば、家族みんなが1500円割引継続だったのに、と教えてくれた。それを聞いてがっくり。わたしより妻がもっとがっくり。
がっくりしている妻に申し訳なくて、ほんとにごめんねと半べそかきながら床へ足をバタバタしていたら、逆に気の毒がって、背中をポンポンしてくれた。ポンポンボランティアみたいな感じだろうか。そんなのあるんだろうか。とにかくごめんね、ごめんね。
「川ぽちゃ」という音のかわいさにはまったく似つかわしくない、五臓六腑を握りつぶされるような痛い大出費になってしまった。だいたいにおいてプロフで「ちょいぽちゃです」とか言うのに限って超絶な(以下規制)。
「じつはお店でiPadまで売りつけられそうになった」と打ち明けたところ、妻と子どもが必要以上に大爆笑した。そこまで爆笑しなくてもいいんじゃ。
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桐生から帰ってきて、もちろん連日のオイカワ釣り。
川に立たずにはいられない感じ。
「ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線」