「フライの雑誌」第105号(2015)より、グラビア「防波堤からの身近で深い海フライ」を公開します。
夏の終わりから秋、初冬にかけては、身近な海でフライフィッシングを始めるのに最適の季節です。とりあえず防波堤で、タイプ3以上のシンキングラインを投げて、#10くらいのストリーマーを沈めてリトリーブしてみましょう。そこにいさえすれば海の魚は何かしら反応してくれるでしょう。
※防波堤は公共の施設です。バックキャストにはくれぐれも注意してください。立ち入り禁止区もあります。事前に十分確認してください。
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防波堤からの
身近で深い海フライ
〔写真キャプション〕
鹿児島のちゅうまんの夢やを通じて知り合った仲間たちが、今年も恒例の〝アジ釣り大会〟に集まった。大会とは言いつつ、それぞれが勝手に思い思いの釣りをするだけであるが、そこはそれ、隣りの釣り人の竿の曲がりは気になるところ。
※防波堤は公共の施設です。バックキャストにはくれぐれも注意してください。立ち入り禁止区もあります。事前に十分確認してください。
#10くらいのストリーマーを結んで、とりあえず防波堤でシンキングラインを投げて、沈めてリトリーブしてみよう。そこにいさえすれば海の魚は何かしら反応してくれるはず。写真は防波堤で身近に釣れる魚の代表格、アジとカマス。ロッドは6番が基本。
潮の流れが入ってくれば、湾内でも魚は釣れる。流れを読むのが大事なのは海も川も湖もいっしょ。これくらのサイズでも昼間に入れ食いになるとめちゃくちゃ楽しい。ただいつまで釣れつづくかは魚と潮とウデ次第。
まだ暗いうちに釣れた今回の最大魚、38センチのマアジ。このクラスになるとタモ網は必須。右ページの船道で釣れた。ふだんはアタリが薄いポイントだが潮が動いていたこの日はよかった。
あなたはこの列に並んでキャスティングできる腕を持っているか。仲間といっしょに釣るからこそ分かること、見えてくる楽しみがある。
やはり一番の狙いは朝マズメ。夏休みにはがんばって早起きして海でフライを振ってみよう。何かが起きるかもしれない。
本誌連載中、夢やの中馬達雄さん。過去30年間、ほぼ毎日海でフライを振って約30万尾の魚を釣ってきた男。ハヤも釣る。(単行本『海フライの本3 海のフライフィッシング教書』著者)
今年尺以上のアジを釣ったフライたち。#12〜#8。バラバラで個性が出まくり。これもフライフィッシングの魅力。常にチャレンジしつづけるのがフライフィッシャー。
WFタイプ6のシンキングラインを逆風でもリーダーをターンさせてきっちり毎回30ヤード投げる。何十秒かカウントダウンの後、ラインとロッドティップを一直線にリトリーブはお好みで。アタリは〝ゴゴッ!〟。フッキングはラインを引いてロッドは立てない。ここまではベーシック。応用無限大。ただし「ちゃんとキャストできること」は大前提。
帰りのフェリーの出航前に、地元のお姉さんが港へ自家製のアジとイカの干物を販売しに来た。一人が買ったら次々に「おみやげに」「おみやげに」と群がった。旅先の釣りには釣りだけでない楽しさがある。
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