ご講演者のなかに、ムーン・ベアも月を見ているクマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線(山﨑晃司著|フライの雑誌社刊)に出てきたクマの研究者、いわゆる「クマの人たち」のお名前も見える。実物を見られると思うと楽しみ。当日はJBN会員の編集部員Hも聴講します。
「日本クマネットワーク シンポジウム:たったの16頭!? 四国のツキノワグマを絶滅から救うために」
2019年11月10日(日) 13:00 ~ 16:30
東京大学弥生講堂一条ホール(東京大学農学部構内)
日本クマネットワーク(JBN) 主催
ツキノワグマは本州だけでなく,四国にもいることをご存じですか?
四国のツキノワグマの推定生息数はわずか16~24頭と絶滅寸前でありながら,保護対策が遅れています。四国はツキノワグマが暮らす世界で最も小さな島でもあります。この四国のクマを絶滅から救いたい!との思いから,日本クマネットワーク(JBN)は,環境再生保全機構地球環境基金の助成を受け,四国自然史科学研究センターおよび日本自然保護協会(NACS-J)と協働で,クマに関する現状把握のための現地調査と積極的な保護策の事前検討を行ってきました。
また地域に暮らす人々の思いを現地で聞き取り,地域もクマも守るための方法について検討してきました。同時にこの問題に関心を持ってもらうための普及啓発活動も様々な方法で展開してきました。
このシンポジウムでは,基調講演で自然の中で暮らす野生動物の暮らしとそこに影響を及ぼす私たち人間について思いを巡らせた後,2017~2019年度にかけて行ってきた活動から,
1)最新情報に基づく四国のクマと地域に暮らす人々の現状,
2)今後の取り組みについての提案,
3)今後私たちにできること
について参加者の皆さんと共に考えたいと思います。
・基調講演「野生動物の撮影を通して感じる人と動物の付き合いのあり方」
前川貴行/動物写真家
・四国ツキノワグマ保全プロジェクト3年間(2017-2019)の総括
JBN紹介・プロジェクト紹介大井徹/JBN代表・石川県立大学
・現地調査から見えた絶滅の危機にある個体群の現状
山田孝樹/(特非)四国自然史科学研究センター
・四国の人々はクマをどう思っている?
亀山明子/(特非)NPO birth
・個体数を回復させるための生態学的な次の一手
山﨑晃司/東京農業大学
・支援の輪を広げるための普及啓発の取り組み
出島誠一/(公財)日本自然保護協会
・トップダウンとボトムアップの連携による保全策の提案
佐藤喜和/JBN副代表・酪農学園大学
・総合討論
コーディネーター小池伸介/東京農工大学
・
4-3 四国のクマは追いつめられている
人が減り、クマも減った
絶滅へのカウントダウン
四国でがんばる〝クマの人たち〟
狭い尾根筋を行ったり来たり
クマを脅かす大規模風力発電
〝クマの人たち〟が四国に集ってきた
四国のクマを増やすには
クマをとりまく地域社会の本音「ムーンベアも月を見ている」より
・
ツキノワグマは秋のドングリ採食で翌年夏までのエネルギーを蓄える-農工大
上は、農工大大学院農学研究院自然環境保全学部門の小池伸介准教授、東農大地域環境科学部森林総合科学科教授で、『ムーン・ベアも月を見ている』著者の山﨑晃司さんらによる研究。
研究の過程については同書でも触れられています。