フライの雑誌-第103号から、〈フリッツ・ガード フライプレート・コレクション〉(IFFF 2014 Fly Fishing Fair In Livingston Montana、北米でのシマザキフライ、島崎憲司郎 SHIMAZAKI HOLLOW BODY FLIES〉を公開します。
参考記事
シマザキフライが『Flies for the Greater Yellowstone Area』に掲載(2015.2.16)
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フリッツ・ガード
フライプレート・コレクション
インターナショナル・フェデレーション・オブ・フライフィッシャーズ
IFFFミュージアム(モンタナ州リビングストン)
北米でのシマザキフライ
島崎憲司郎 SHIMAZAKI HOLLOW BODY FLIES
Fritz Gerds Fly Plate Collection
IFFF 2014 Fly Fishing Fair In Livingston Montana
Shimazaki Hollow Body Flies
キャプション+本文まとめ 本誌編集部
●ボストン出身のアート・ディレクター、フリッツ・ガードさんは、現代米国の著名フライフィッシャー、フライタイヤーへ直接コンタクトをとり、彼らがタイイングしたフライ、自筆画などを自作のキャビネットに額装するアートの製作をライフワークとした。その数は数千点にのぼる。
●フリッツさんは残念ながら2011年に83歳で亡くなられた。残された作品は彼の遺志で彼の属するフライフィッシング・クラブへ、友人のクニ・マスダさんを通して託された。作品の約半分はIFFF(現Fly Fishers International:FFI)のフライフィッシング博物館へ、残りはニューヨーク州のキャッツキル・フライフィッシング博物館へ寄贈され、展示されている。
●フリッツさんの作品は、現在では伝説化している彼らとやりとりした際の資料、手紙がセットになって記録されている歴史的文化財である。約80年間に渡る現代米国のフライフッシングの歴史を私たちの前によみがえらせてくれる。その一部を紹介する。 (編集部)
●IFFFは、環境保全活動と教育を通じフライフィッシング・スポーツの向上を目指す非営利団体だ。リー・ウルフ氏らによって1964年に結成された。モンタナ州リビングストンに拠点を置き、世界各国のフライフィッシャー、グループと連携している。
日本ではIFFFキャスティング・インストラクター認定制度が知られているが、タイイングなどのレッスン、環境教育、社会的ボランティアなど、活動は多岐にわたる。IFFF公式ウェブサイトは、キャスティング、タイイング、マガジン、イベントなどフライフィッシングに関連する情報を網羅し充実している。
●今年8月にリビングストンで恒例のIFFFフェアが開催された。協賛メーカーによる展示会、著名フライタイヤーによるタイイングデモ、実際の川でのワークショップ、晩餐会など世界中からの参加者で賑わった。
●北米在住のクニ・マスダ(増田邦)さんは、ワシントン州にあるクラーク・スカマニア・フライフィッシャーズの中心メンバーだ。同クラブにはフリッツさんも所属していた。
マスダさんは北米と日本のフライフィッシング文化の橋渡し役として過去30数年にわたり多方面で尽力している。日本人で初めてのIFFF理事となった。IFFFミュージアムの運営委員でもある。
●今年のIFFFフェアにおいて、マスダさんは、オフィシャル・デモ・タイヤーとして会場でタイイングデモを行った。マスダさんがタイイングした島崎憲司郎さん考案の「ホロー・ボディ」パターンは参加者の関心を大いに集めた。
マスダさんはIFFF活動資金オークションへホローボディ・フライのプレート(下写真)を出品した。275ドルの高値で落札したのはヘンリー・ホフマンさんだった。
●来年2015年には、IFFF創立50周年の記念フェアがオレゴン州ベンドで開催される。 (編集部)
●フリッツさんが「日本のフライタイヤー、島崎憲司郎さんのフライをコレクションにどうしても加えたい。」とマスダさんへ依頼したのは、2009年の夏だ。島崎さんは「ジュラシック・フライズ」(1999/第48号参照)の作者としても米国で知られている。マスダさんは友人のフライフィッシャー、佐藤起司さんを通じて島崎さんへ依頼した。
●当時島崎さんはKTPPという指先の重症の手荒れに苦しめられている際中で、額装用のフライをタイイングできる状態ではなかった(第88号参照)。フリッツさんはナイフで〝島崎憲司郎〟と漢字で彫刻した特製ボックスを作成し、島崎さんの指先が癒える日を待った。
●残念ながらフリッツさんはシマザキフライを手にすることなくご逝去。島崎さんはフライを送れなかったことを大変申し訳なく思い、その後ホローボディを徹底的に改良してきた。フリッツさんやマスダさんが評価してくれなかったら、ここまではやらなかったそうだ。
新しいホローボディを使ったユニークなフライは、本誌今号80ページで紹介している「Shimazaki Flies 2014 Selection 2」作例の他にも色々あり、フックやチューブなどへのセッティング方法も以前より大幅に進化した。
●日々アップデートしているシマザキアイデアは、現在進行中の単行本プロジェクト『Shimazaki Flies』で詳しく解説される。 (編集部)
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