「おんもに出られない」

こんなご時世ですね。

自分が会社員になったとき、営業先での上司の枕詞は

「こんなご時世ですから。」

だった。具体的になにを言いたかったのか知らない。

ただ「こんなご時世ですから。」と口にするときの上司は卑屈に見えた。

日本は〈こんなご時世〉が30年続いてる。

いまさら関係ないんじゃないか。

知り合いの中でもっとも人間よりクマに近い男が言った。

「怖くておんもに出られない。」

ばっかじゃねえの。

「わかってるんだけどさあ。」

じゃあ釣りも行くなよ。

「釣りは行く。」

いいんだよそれで。

つり人社さんがこの機に乗じて、釣りの本のプロモーションをかけている。

「学校が休校になり、つらい思いをしている子供たち。遊園地や街中には連れ出しにくい状況下ですが、混雑を避けられる釣りやキャンプなどアウトドアレジャーの人気は高まって」

「親子で行きたい爽やか釣り場&釣り方ガイド16選!」

釣りの出版社はこういうことでいいです。

すばらしいです。

追い詰められた権力者ほど怖いものはない。ばかの頭の中を想像するとぞっとするが、釣り師のばあい、釣りを通じて世の中に関わっていけば、大丈夫、生きてゆける。

東京オリンピックで活躍する予定の、脳を保護する特殊な傘。去年の夏にテストしておいたのに。

フライの雑誌 119号(2020年春号) 特集◎春はガガンボ ガガンボは裏切らない。

フライの雑誌 119号(2020年春号) 特集◎春はガガンボ ガガンボは裏切らない。 頼れる一本の効きどこ、使いどこ シンプルで奥の深いガガンボフライは渓流・湖・管理釣り場を通じた最終兵器になる。オールマイティなフライパターンと秘伝の釣り方を大公開。最新シマザキ・ガガンボのタイイング解説。|一通の手紙から 塩澤美芳さん|水口憲哉|中馬達雄|牧浩之|樋口明雄|荻原魚雷|山田二郎|島崎憲司郎

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