アングラーズ・アイドルはフライフィッシャーマン

社団法人日本釣用品工業会(日本の釣具メーカーの業界団体)が、釣りを広める活動の一環で「アングラーズ・アイドル」という新企画を今年から打ち出した。〈今まで釣りに縁のなかった方や、新しく釣りをやってみようかという方に、釣りの楽しさを知っていただき、釣りの人口を拡げていきたい〉のが狙いだ。

先日の「国際フィッシングショー2010」会場では、そのアングラーズ・アイドル候補生たち9名をステージ上に集めての、最終公開審査会が行われた。アイドル候補生たちにオーディションと称して、あろうことか体操とかをさせたらしい。釣り業界の親父が中心の審査員たちは、うら若い女性たちのあられもない姿を息を殺してじっと見つめていたとのこと。そんな厳正な審査の結果、見事Aicaさんが「アングラーズ・アイドル2010」の座を射止めた

Aicaさんは1988年生まれの21歳。シンガーソングライターとしてライブを中心に活動中。「去年の秋に初めてフライフィッシングに行き、そこで釣りの楽しさ、喜びを体感しました。」とのこと。王禅寺あたりへお友達に連れて行ってもらったことがあるという程度のようだ。でも若いお嬢さんの唯一の釣り体験がフライフィッシングとは、スゴいことだ。なにがスゴいのか分からないがとにかくスゴい気がする。「初めは、ニジマスを釣りました。」なのだそうだ。Aicaさんの初体験のお相手をしたニジマスも本望だったろう。親父がここにもいましたよ。

これからAicaさんは初代アングラーズ・アイドルとして、世の中の釣りへの好感度をアップするために各媒体へバンバン露出していくとのこと。全面的に応援したい。もちろん『フライの雑誌』にも出てもらいたいのだが、そこはアイドル故、出演にはお金がかかるようだ。王冠かぶった状態で『フライの雑誌』読者お茶会に来てもらったりしたらスゴいじゃんと一瞬思ったのだが、夢物語に終わった。読者の皆様には本当に申しわけない。いつの日か出演料をたっぷり払えるようになったら、桂川の〈禁断のプール〉(第86号参照)あたりでアングラーズ・アイドルを丸々一日『フライの雑誌』読者で貸し切りとかしたい。

じつは先週の金曜日、小社もメンバーになっている日本釣りジャーナリスト協議会の定例会にAicaさんがご来臨するとの情報があった。ふだんは多忙を言い訳にして失礼することの多い定例会だが、その日ばかりは、私自らが万難を排して駆けつけることにした。

ところが出がけに編集部へかかってきた電話に足止めをくい、出発が大幅に遅れた。編集部は東京の西の外れにある。クリーム色の京王線にごとごと揺られ、丸ノ内線と日比谷線の尻を叩き、息をゼイゼイ言わせてやっとの思いで八丁堀の会場へ着いたときには、すでにとっくにAicaさんは帰った後だった。

そんなわけでアングラーズ・アイドルには会えなかったが、11PMのアイドル、服部名人に挨拶できたのでよかった。

服部名人