朝からあんまり暑いんで、3年前の4月の忍野を思い出した。
キャスティングでもタイイングでもフィッシングでも、「これはダメ、それはダメ、あれはダメ、どれもダメ。私のいうことやることだけ真似しなさい。」という先生役は、いちばんダメです。フライフィッシングに限らずでしょう。もし間違ってそんな先生を引いちゃった生徒さんは、にっこり笑って、とっとと逃げたほうがいい。
第77号特集◉フライフィッシングの教え方は売り切れです。
大雨の次は酷暑。コロナで百合子当選。どんな罰ゲームだろう。神様ヘルプ。
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ちょうど魚がライズしているあたりを一掃してゆく白鳥。 pic.twitter.com/KfK9QLfVHU
— Mitsuo Furuta (@ormitte) August 8, 2020
上の動画を見て。高校生の団体のラフティングボートに、釣っているポイントの真上を下られたことがある。仕方ないからおじさんは手を振った。若い人の笑顔はいいね。数えたら23艘下っていった。行いがよかったせいか、5分後にはライズした。いいね。
一般に魚は、水面を騒がせる何かよりも、空中を横切る何か、水中へ振動を与える何かを、より怖がる。本誌連載〈パニック・ライズ〉でも明らかなように、スレたヤマメは、水平線のはるか彼方からテレパシーで危険を察知して、逃げる。まだ竿を継いでもいませんよーだと地団駄を踏むと、その振動でさらに逃げる。嗚呼。
あと。コイは人間の顔を個体識別する。京王多摩川に暮らしていた頃のわたしは、あまりに釣っちゃ放ししていたので、周辺のコイたちのお尋ね者だった。他のおじさんにはパンくれと寄ってくるくせに、わたしが顔を出すと逃げる。長いもの(竿)を見ても逃げる。最終的には腹ばいで水辺へ近づいて、後ろ手に隠したロッドで釣ってやった。なんでもやる。
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最近ほとんど口を聞かない生き物に、「きれいじゃん」と言わせた。たやすい。
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フライの雑誌社では、ここに来て日々の出荷数が増えています。「フライの雑誌」のバックナンバーが号数指名で売れるのはうれしいです。時間が経っても古びる内容じゃないと認めていただいた気がします。そしてもちろん単行本も。
島崎憲司郎さんの『水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW』は各所で絶賛されてきた超ロングセラーの古典です。このところ突出して出荷数が伸びています。