その昔、大蔵省国有宅地売払の広告制作で小間使いをやった。1995年のことだ。
まだ仕事が本決まりになる前、広告制作会社のディレクターさんから、ラフデザイン用の写真を撮ってきて、と頼まれた。
所属している事務所へ行って、うすぐらい廊下みたいなところに立ってもらった。「笑ってください。」とか適当なことを言って、私物のフィルムカメラでパチパチ撮った。(申し訳なかったです)。
事務所の女性が「採用なんでしょうか。」と聞いてきたので、「すみません、わたしにはわからないです。」と答えて帰ってきた。
仕事が始まり、紙媒体の撮影の手伝いをした。ロケ地で交通整理をやった。するとわたしがへたくそで、封鎖した現場に一般車が入ってきてしまった。危なくはなかったけど、「こら、タレントさんが轢かれるじゃねえか!」とえらい人に怒られた。
タレントさんは15歳の竹内結子さん。(申し訳なかったです)。「マネージャーさんもいないで、原宿駅でひとりで立ってたんだよ。」というのは、撮影の待ち合わせで駅まで迎えに行った仕事仲間から聞いた話だ。
デビューの時からかわいかった。でもすぐに売れだして、後年そんな大女優さんになるとは、当時の自分にはまったくわからなかった。
わたしはかなしいです。
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