「淡水魚の放射能汚染まとめ/放射能汚染を釣り人としてどう受け止めるか」を更新しました。初回エントリアップは2012年2月26日でしたから、8年と半年続いています。といいつつ今回は数ヶ月間「まとめ」の作業が空いてしまいました。
海の魚からは、ほぼ放射能が測定されなくなっています。
放射能汚染水を海へ捨てるしかない、と政府が言い始めました。開き直っただけのことです。
現代の科学は、放射能を無害化する技術をもっていません。凍土でもなんでも、汚染水を止めることはできなかった。たまり続ける膨大な放射能汚染水は、陸上へ貯め続けるか、どこかへ捨てるかしかありません。放射能を海へ捨てれば、漁業への実害があるのは明らかです。
ことここに至らないように、原発を作るべきではなかったのです。ことここに至らせた原因に関わってきた人たちは、鱗滝左近次の覚悟のように、せめて腹でも切ってお詫びするべきでしょう。ところが、ことここに至るまで、政治家・電力会社・役人・学者、だれ一人腹を切っていません。苦しむのは漁業者であり、庶民です。その末席に釣り人もいます。
中禅寺湖のブラウントラウトから52ベクレル/kg、同ワカサギから9.4ベクレル/kg出ています(2020/10/07)。手賀沼のニゴイからは65ベクレル/kg出ています(2020/10/17)。手賀沼のニゴイを、わざわざ選択的に大量に毎日食べ続ける人がいるとは思えませんが、きもちわるい。放射能に対して〝きもちわるい〟感覚を持ち続けることは大切です。慣れてはいけないと思います。
事実に向き合わない、隠す、ごまかす。ごまかしきれなくなれば、今度は数字をいじって、大したことないと思わせる。コロナでも放射能でも、政府の姿勢は一貫していますね。
選ぶべき未来は森と川と魚たちが教えてくれる
『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』
水口憲哉(国会事故調査委員会参考人/東京海洋大学名誉教授)書き下ろし
///
フライの雑誌社では、ここに来て日々の出荷数が増えています。「フライの雑誌」のバックナンバーが号数指名で売れるのはうれしいです。時間が経っても古びる内容じゃないと認めていただいた気がします。そしてもちろん単行本も。
島崎憲司郎さんの『水生昆虫アルバム A FLY FISHER’S VIEW』は各所で絶賛されてきた超ロングセラーの古典です。このところ突出して出荷数が伸びています。