攘夷吹き荒れる幕末期、絶海の御蔵島で座礁した米国バイキング号事件の顛末はすごい。
言葉も通じない483名の乗員を島民が救助。その後にやってきたアメリカ軍艦の乗員とは、一緒に釣りをして、お礼にダンスを教えてもらったと。いいな。
御蔵島バイキング号事件を知ったのは、届いたばかりの水口憲哉氏の「水辺のアルバム」次号の原稿に、ちょっとだけ出てきていたから。
つい興味を持って、ネット上を渉猟して資料を読み込んでしまい、一晩消費しました。水口先生の原稿はむずかしいけど、ていねいに読むと奥行きがパーっと広がっている。すごく面白い。
「フライの雑誌」の編集がなかなか進まない理由は、こんなところにあります。でもいいかなって。
昨今忘れられつつある〈雑誌読み〉の面白さを、読者にお届けしたいと思ってやっています。どうぞご理解いただければ幸いです。
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今朝は旧知のイラストレーターさんと、LINEで打ち合わせ。
「全ページ・カラーでお願いします。」
「いいですね、流れの強さを表現しやすくなります。」
「雑誌の性格上、シブ目の色気にしてください。」
「分かりました。」
「化粧したお化けみたいなカラーリングはちょっと。」
「分かったってば!」
すごくいいページになりそうです。
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続いて、次号「釣り場時評96」の原稿拝受。
水口憲哉氏が珍しく(?)お怒りになっている。
国はまき網を守るために全くとるに足らない、本当に漁獲量も0.5パーセント以下、遊漁のマグロ釣りを禁止するという、無茶苦茶な横暴以外のなにものでもないことをやった訳である。
TACの根拠となる改悪漁業法は砂上の楼閣でしかない。
怒りの矛先は、改悪の顔をむき出しにした改定漁業法、水面下で動く水産高級官僚、実情を知らないのにしゃしゃり出てきてTACを押しつける学者と役人連中、といったところ。
さっそくお電話して原稿の感想を述べた。1時間を超えてあれこれ突っ込んで話しこんでいるうちに、わたしは微妙な琴線に触れたらしい。「あなたもヘンなこと言うねえ!」と叱られた。とばっちりである。
いやセンセ、でもそれは。
と食い下がれるようになるまで、たったの18年。
〈フライの雑誌〉第122号を発行しました!
特集は、〈フライの雑誌〉初の入門編「はじめてのフライフィッシング1」。島崎憲司郎さん + 山田二郎さんの「初公開 ホットワックス・マイナーテクニック」です。
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