小学校の学級会の頃から多数決が嫌いで、投票はするけど結果がどう出てもそっぽ向く派だった。だからどうってことない。
とはいえ今回、五股不満足のゲスの極み乙さんが落ちたのには、なぜだか胸がスッとした。
’80年代の大学のサークル新歓で、ちょっとヤバいのは旧新左翼系(すでに意味不明)、けっこうヤバいのが応援団(やさしくしてくれるのは最初だけ)、と言われていた。
圧倒的にヤバいのは、壷売りだった。一見甘っちょろい文化系の同好会に擬態している。騙されて入ったら終わり。目つきが変わっちゃう。いつのまにか学内からいなくなる。そういうのが何人もいた。シャレにならない。
地方出身の一人暮らしの真面目な学生ほど、壺売りによく引っかかると言われていた。今の若い人はそういう過去の経緯を知らないんだろう。こっちも何十年も忘れていた。
わたしはふだんボーッとして見えるようで、かつて若い頃に新宿駅の南口あたりを歩いていると、デイパックを背負ってウロウロしている若者から「わたしは手相の勉強をしています。手相を見せてくれませんか。」とよく声をかけられた。
うっかり手のひらを預けたら最後、近くで見張っている〝先生〟が穏やかな笑顔で現れて、二人でこっちの手を握ってなんだかんだと離してくれないことになっている。
そういう時は、「わたしはカメラの勉強をしています。写真を撮らせてください。」と言って、持ち歩いていたデジカメをポケットから取り出す。レンズを向けるといかにも嫌そうな顔で逃げるのが面白くて、わざと彼らの前を行ったり来たりした。
手相の勉強をさせてあげるんだから、カメラの勉強をさせてくれたっていいのにね。
今だったらスマホでパシャだろうか。
スマホで壺をポチさせられたりして。
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