【公開記事】公聴会へ行こう! 「漁業権切り替え免許」にともなう公聴会は釣り人が漁業権について意見を述べられる大チャンスだ(フライの雑誌-第58号|2002)より

読者の方から、以下のようなメールをいただきました。

「フライの雑誌」の皆様は内水面の漁業権が今更新時期になっているということをしっていますか?

内水面の漁業権について調べている中で、来年度に多くの県で漁業権の切り替えが行われるということが分かりました。漁業法には、この計画を定めるときに、内水面において漁業を営む者、漁業を営もうとする者、その他利害関係人からご意見を聴収しますと書いてありました。

..ネットで検索したところ、今まで意見聴取が行われた県では提出された意見が0というところがほとんどでした。今月、来月辺りに多くの県で意見聴取が行われるみたいです。

..釣り人の意見を直接伝えらえる貴重な機会であると思うのでぜひ、みんなで活用してもらいたいと思い、投稿しました。

10年に一度の漁業権の切り替えとそれに伴う〝意見の聴取〟について、釣り人はもっと声をあげるべきでは、というご趣旨と思います。

たしかにおっしゃる通りです。各地の内水面漁場における漁業権切り替えに際して、釣り人が意見を発表する資格はあると考えます。

釣りに関係の深い内水面の第5種共同漁業権は、10年に一度の切り替え(見直し)が漁業法で義務付けられています。直近だと、2003年(平成15)→2013年(平成25)に行われました。次は2023年(令和5)です。

すでに各都道府県の水産担当者では、事務手続きが進んでいるはずです。参考として、山梨県のフローチャートを本記事下部に提示します。これに10年をプラスすれば2023年の漁業権切り替え免許のスケジュールになります。どこの都道府県もだいたい同じです。問い合わせてみてください。

「フライの雑誌」バックナンバーから、漁業権切り替えを扱った過去記事を紹介します。フライの雑誌-第58号(2002年刊)、記事のタイトルは「公聴会へ行こう!」。2002年発行ですが、内水面漁業に関して漁業法の枠組みは当時と変わっていません。システムは同じです。

「漁業権切り替え免許」にともなう公聴会は、釣り人が漁業権について意見を述べられる(10年に一度の)数少ない大チャンスです。

釣り人が意見を伝える際の窓口は、まず各都道府県の水産担当部署(水産課など)になります。具体的にはどんな意見が考えられるでしょうか。意見を述べたい既存の内水面漁協の具体名を提示した上で、

・既存の漁業権魚種(ブラックバス、ブラウントラウト、レイクトラウト、ニジマス、ヤマメ、イワナ、アマゴ、ヘラブナ、コイなど)を次の切り替えでも保持してほしい
・漁業権魚種を新規に追加してほしい
・現在の漁場計画(魚の増殖計画)が不当だ。改善してほしい
・漁業権を管理する資格がない漁協がある
・魚の増殖を阻害するダムなどを許す漁協は漁業権不許可にしてほしい
・既存の漁協のこの点はいいので行政として応援してほしい
・公聴会に参加したい。スケジュールを教えてほしい

などなど。

各都道府県の水産行政窓口は、釣り人から漁業権切り替え免許について意見されることに、慣れていません。まして、公聴会へ参加したいと釣り人から言われると、担当者でもよく分からないことも多いと思います。

もし各都道府県の水産行政窓口に相談しても、うまくいかない場合は、漁業法の管轄官庁である水産庁に、釣り人専用の窓口「釣人専門官」があります。気軽に電話しましょう。釣人専門官は釣り人のためにきっと働きます。

水産庁釣人専門官 TEL. 03-3502-7768

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「公聴会へ行こう!」
スズキ・イチロー  公務員(水産職)
(フライの雑誌59号掲載|2002)

誌面画像は、こちらのほうが読みやすいと思います。

(フライの雑誌59号掲載|2002)

(フライの雑誌59号掲載|2002)

(フライの雑誌59号掲載|2002)

(フライの雑誌59号掲載|2002)

フライの雑誌59号掲載|2002 品切れ

山梨県のフローチャート

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