釣り場作りに関わる10年に一度のチャンスです

来年度は10年に一度の内水面漁業権切り替えの年です。

漁業法の改定により、漁場計画策定時に「新たに利害関係人から意見聴取の手続を行う」ことになりました。(4水管第57号 水産庁長官 通知

それに伴い、各都道府県の水産担当課で、ひっそりと意見を募集中です。海面でも内水面でも扱いは同じです(水産庁へ確認済み)。内水面漁業は遊漁者なしに成立しないと水産庁が認めています。遊漁者は立派な利害関係人です。

残念ですが、「新たに利害関係人から意見聴取の手続を行う」ことは、一般にまったく周知されていません。募集期間が終わった県では、「意見ゼロ」が続出しています。知らないんじゃ意見の出しようがない。法律の規定を知らせないのは不作為と言えます。

それって新しい制度の意味ないよね、と思います。

この改定は今までどの媒体でもまったく報道されていません。本当は「フライの雑誌」次号126号で記事にしたかったのですが、こういうのおかしいんじゃないかと思って、義憤にかられ、ここで情報をオープンにします。10年に一回の貴重な機会を活かしましょう。

基本的には各自治体の水産課が窓口になっています。すでに募集が終わったところもありますが、各自ご地元の水産行政課のHPをご確認の上、気軽に意見しましょう。

以下、〈都道府県名 内水面漁場計画(素案)  意見の募集 内水面 漁場計画 〉などのワードで検索してみました。行政が広く意見を募集しているなら、これらのワードで当該ページにヒットするのが前提条件といえるでしょう。

2022.9.9現在

香川県 終了 意見0件
千葉県 7.29-8.29 終了
東京都 8.22-9月21日まで
福岡県  終了 意見0件
石川県 6.22-7.21 終了 意見0件
島根県 終了
山形県 8.23から9.20まで
福島県 10月か11月にHP上で案内予定
北海道  水産林務部水産局漁業管理課  記載見当たらず(海区は募集あり)
岩手県  水産振興課   記載見当たらず(海区は募集あり)
宮城県 水産業基盤整備課 記載見当たらず
青森県  水産振興課 第21期第4回青森県内水面漁場管理委員会議事録 017-734-9593 記載見当たらず
埼玉県 11月上旬より開始
兵庫県 水産漁港課漁政班 6.24-7.22 終了
大阪府 水産課 記載見当たらず  海面のみ
長崎県  記載見当たらず(海区は募集あり)
熊本県 水産振興課漁場管理班 海区のみ

〈ご地元の都道府県 + 内水面漁場計画(素案)に関する意見の募集〉などのワードで検索してみてください。

4水管第57号 令和4年4月14日
都道府県知事殿
水産庁長官

海区漁場計画の作成等について
令和5年9月から予定されている漁業権の次期一斉切替えに当たり、都道府県が行う事務に関し、留意すべき点を別添のとおり取りまとめたので通知します。
この通知は、地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第245 条の4第1項の規定に基づく技術的助言です。

第2海区漁場計画の作成

1.海区漁場計画
(1)要件
都道府県知事は、その管轄に属する海面について5年ごとに海区漁場計画を、その管轄する内水面について5年ごとに内水面漁場計画を定めるものとされている(法第62条第1項及び第67条第1項)。
海区漁場計画(内水面については、内水面漁場計画。以下同じ。)は、それぞれの漁業権が海区に係る海面の総合的な利用を推進するとともに、漁業調整その他公益に支障を及ぼさないように設定され、また、活用漁業権があるときは、類似漁業権が設定されていることを要件とする(法第63条第1項第1号及び第2号並びに法第67条第2項)。
(2)(3)略

2.利害関係人の意見聴取
(1)手続
新たに利害関係人の意見聴取の手続を行うこととしているので(法第64条第1項から第3項まで)、必ず行うよう注意する必要がある。
利害関係人の意見聴取に当たっては、庁舎の掲示板や公報にこだわらず都道府県ホームページへの掲載など利害関係人による閲覧が容易な方法を活用することが適当である。また、この際には、海区漁場計画の案として想定している内容を、その時点で可能な限り具体的に示すことが望ましい。
また、検討の結果の公表に当たっては、提出された意見及びそれに対する都道府県の回答又は考え方を併記されたい。加えて、公表の際は、事業計画や環境調査結果など、どのような根拠に基づき判断したのか等、検討プロセスを明らかにすることが適当である。
このほか、この手続については、行政手続法(平成5年法律第88号)の意見公募手続の方法を参考として実施されたい。

(2)意見の検討
利害関係人として意見を述べようとする際は、当該事案について利害関係であることを疎明されていることが必要である(漁業法施行規則(令和2年農林水産省令第47号)第22条)。
提出された意見については、利害関係であるとする疎明内容を踏まえ、利害関係人に当たるかを確認した上で、その意見が法第63条第1項の要件に該当するものか否か、新規の漁業権については同条第2項の海面全体の最大限の活用につながるものか否かにより検討されたい。
この利害関係の有無の判断に際して確認すべき点については、免許手順等通知別紙1で整理しているので、参考にされたい。

(3)留意事項
上記のほかにも、手続のポイントや留意事項等(調整が難航する場合の対応等)を免許手順等通知により整理している。事前段階における希望者による相談への対応も含め、客観性・公平性・透明性に留意しつつ、漁業調整その他公益に支障を及ぼさないようにしながら、誠実に、かつ、責任をもって対応されるよう配慮いただきたい。

海でも内水面でも漁場計画の策定時に「意見聴取の手続を行う」と漁業法へ新たに書かれ、長官通知が回されるなんて、担当者には面倒に決まってるんです。でもだからって、ひっそりこっそりはないよねと。水産庁だってPRしろよと。その憤激を思えば目玉記事の先出し公開なんて屁でもないです。

と言いつつ、読者にフライの雑誌社の本や雑誌をお足を出して買ってもらえないと、うちだってこういうことは続けられない。だから皆さん投げ銭と思って、これからも弊社の出版物をよろしくお願いします。

4水管第57号 令和4年4月14日 水産庁長官

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