少年へら師だった私が住んでいた西東京では、ヤマベを「銀バヤ」と呼んでいた。「じゃみがうるさい。銀バヤだと思うけど」「底ベタとれてないからだ、みせてみろ」のように、父親との会話で使った。銀バヤの標準和名がオイカワだとは高校生になって知ったことだ。
18歳のとき北海道へはじめて釣りに行き、当時自分の憧れだったヤマメが向こうではヤマベと呼ばれて雑魚扱いされていることにショックを受けた。ロバパンを買った商店のおばさんに「ヤマベのかき揚げはおいしいよぉ」と言われて、あのヤマメをかき揚げにするのか!?とダブルパンチだった。バイクにまたがった私の口の中におばさんが押し込んでくれた「新子ヤマベのかき揚げ」は冷えていたけれどしみじみおいしかったのを覚えている。
今朝は多摩川で銀バヤ釣りをした。