元全日本女子プロレスのタッグ王者、ミホカヨの片割れ“納見くん”こと納見佳容ちんが何とかいうダンスグループの何とかいう男と結婚した。私はミホカヨであれば平目に似た相方の“ワッキー”こと脇澤美穂の方が好きだったし(笑顔が素敵)、「プロレスラーを卒業して女優になります」という納見くんの引退後の進路が疑問だったので思い入れは少ないが、納見くんの年齢が30歳と聞いてそれはちょっとショックだ。納見くんは全女の出戻りだしワッキーより年上だからそんなものだろうけど、そうか三十路か。
ミホカヨ人気が全盛期だったころ、1999年5.5ネオレディース川崎体育館での納見佳容×坂井澄江の試合中に、リングサイド席から私が言った「のうみーぃ」という間抜けな声が会場中へ妙に響き、寒々しい空気が漂ったことを思い出す。この日私は“天空つむじ風”チャパリータASARIが目当てだったので他はどうでもよかったのだが、納見くんと“クルクルミラクル”坂井澄江が戦うのであればせっかくだからどちらかを応援しようと考え、納見くんの方がかわいいもんなと思って「のうみーぃ」と言ってみたのだった。気合いが入っていないので間抜けな応援になってしまった。悪いことをした。ちなみに決勝戦はチャパ対坂井で、優勝はスカイツイスタープレスによるチャパのフォール勝ちだった。
この頃の私はチャパを追いかけて毎週ネオレの興行へ通っていた。釣りに行くかチャパを追いかけるか迷った末に、チャパを追いかけていた。いい時代だった。納見・脇沢に中西百重と高橋奈苗を加えた全女の「ミホカヨ・ナナモモ」で今も現役で残っている選手は“空飛ぶ冷蔵庫”高橋奈苗のみという有様では、女子プロも人気がなくなるのは道理というか。もう全女もとっくにないしな。