第13回釣り問題研究会へ行ってきました

23日(土)、東京海洋大で開かれた釣り問題研究会へ行ってきた。第13回目の今回は「漁場調整委員会とは何だろう?」の総題で、会場には30人ほどが集まった。地味な題目なので参加人員が少ないのは仕方ない。その分、本当に聞きたい、知りたい人たちが集まった感があった。
漁場管理委員会と言われても、通常釣りを楽しんでいる人にとっては、何のことか分からないだろう。最近では、例えばコイヘルペス絡みでの「コイの移動禁止」(東京都など)や、「ブラックバスのリリース禁止」(新潟県など)などは、漁場管理委員会の「委員会指示」によって釣り人へ法的に強制されている。
漁場管理委員会は都道府県知事の諮問機関だ。2、3ヶ月に一回公開で開催されるが、傍聴した経験のある釣り人はごく少数だろう。開催日を担当局へ確認し、平日の昼間に仕事を休んでわざわざ役所へ出かけ、発言権もない委員会を傍聴するのは大変だ。しかしながら、釣り人にとってとても身近な遊漁規則の改変もすべて委員会の討議を経ることになっているので、じつは私たちが釣りを愉しむ上で、漁場管理委員会は非常に深く関わっている、というよりも、法的に絶対的な権限を持っている。
それで、では実際の漁場管理委員会の内実はというと、これがなかなか微妙である。『フライの雑誌』では委員会をたびたび傍聴し、第67号(東京都委員会)第71号(神奈川県委員会)などに、記事化してきた(掲載記事に対して某委員会事務局から抗議文を頂戴するなど得難い経験もさせていただいた)。漁場管理委員会が税金で運営される公的機関であり釣り人に大きな影響力を持っている以上、閉鎖的・独善的ではなく、建設的でオープンな議論が期待されているのは当然だ。
というわけで、第13回の釣り問題研究会では、1.「内水面漁場管理委員会委員になって」(水口憲哉氏)、2.「海区漁業調整委員会を傍聴して」(鈴木利久氏)の二題が発表された。これまで漁場管理委員会の委員本人から、委員会の実態が批判的に論じられたことはほとんどなかった。第76号の「発言」(水口憲哉氏筆)は珍しい記事であったわけだが、この日の勉強会では、さらに突っ込んだ委員会でのやりとりの現場が当人の口から生々しく紹介されて、とても興味深かった。
編集部ではこの日の勉強会の一部始終を録音してきたので、テキスト化して公開する予定だ。早く手に入れたい方には音声ファイルを送るので、お気軽にご連絡下さい。