すでに発行が半月遅れることが確定している『フライの雑誌』次号90号の特集では、島崎憲司郎さんの「クロスオーストリッチ」をとりあげる。本特集は当初、「クロスオーストリッチ」のタイイングに最近改めて注目のフィッシングテクニックである「シマザキコイル」を組み合わせて多面的に展開する予定だった。
が、色々あってその企画はとりやめになり、90号ではクロスオーストリッチそのものに集中して焦点をあてることになった。めったに見られない島崎憲司郎さんご本人のタイイングと解説を中心として、おそろしく中身の濃い特集をまさに今制作しているところである。次号の『フライの雑誌』にはほんとに期待してください。
一方掲載とりやめになったシマザキコイル(Shima-ken Coil)だが、名著『新装版 水生昆虫アルバム/A FLY FISHER’S VIEW』の特別付録で世の中にお目見えして以降、「なんだかとてもよく釣れるらしいコイルの釣り」への問い合わせは、じつは編集部にはひじょうに多く届いている。編集部ではそんなとき申し訳ないと思いつつ「スミマセン、新装版の付録を見てください」という対応をしてきた。
ただ『新装版 水生昆虫アルバム』発行からこの秋で5年になろうとする今、そろそろ情報を少しずつ明かしてもいいのではないかという気がしている。だってじっさいコイルの釣りはよく釣れるテクニックで、しかもクロスオーストリッチと組み合わせると驚愕の威力を発揮する。だから『フライの雑誌』最新89号の巻頭特集でも現場のコイルの写真と合わせて紹介した次第だ。
島崎さんによるとコイルの釣りも現在は発表当時からさらに変化して別ものになっているとのこと。フライパターンにしても様々な釣りの革命的なアイデアにしても、常に進化させいつのまにか軽々とバージョン落ちにしてしまう、そこがシマザキ流のおそろしいところだ。
第90号に載せようかと思ってけっきょく載せなかったシマケンコイルの画像を、『新装版 水生昆虫アルバム』の付録からトリミングしてとりあえずここに紹介します。いずれにせよコイルはコイルでそのうちくわしく誌上でやります。スミマセン。