世相がすさむとねこが来る

仙川にはほとんどねこがいない。
今から20年近く前に住んでいた高円寺界隈にはねこがたくさんいたので、毎晩さんざんえさをやった。今だったら無責任と非難されるんだろう。つまらない世の中だ。
ある深夜の銭湯帰り、裏路地で集会しているねこたちにねこ缶を与えていたとき、おなじく銭湯帰りでピンク色に肌を上気させた、せっけんが匂ってきそうなお姉さんに出会った。「うわあ、ねこ。うわあ、かわいい」。いっしょにしゃがんでねこを観察していたら、タンクトップの脇からお姉さんのよけいなものまで観察できてうれしかった。もちろんそれから毎晩同じ場所でお姉さんを張ったけどハッテンしなかったな。ち。
「ねこ鍋」流行といい「やっぱり猫が好き」のリバイバル制作といい、世相がすさむとねこが来る、のか。うちらの世代はねこといえば「なめ猫」だけど。古。
ねこを飼いたい。かわいいしあったかいしマテリアルになるし、一石三ねこだ。でも「クロスカットねこ」とかはやらない。