昨日の芦ノ湖ワカサギとワカサギみたいな小バス入れ食い

なんでこの季節にワカサギ

『フライの雑誌』90号のリリースを終えた。だったら釣りに行こうということで、昨日、芦ノ湖へワカサギ釣りに行った。

渓流の禁漁直前のこの時期にあえてワカサギ釣りに行くこともないとは思うが、ワカサギは今はちょうどシーズンが始まった直後で、ひょっとしたらものすごく釣れるかもしれない大切な時期である。


渓流か、ワカサギか、じつは90号を編集している際中から悩みに悩んでいた。そのせいで90号の発行が遅れたという説もあるくらいでゴメンナサイ。

結局食欲に負け、日本で一番美味しいという芦ノ湖のワカサギ釣りに行った。なにしろ宮内庁献上だそうだ。ワカサギ釣りなんだから最低でも一人一束は釣れないと! と意気込んで出かけたが、猛暑のせいで今年の芦ノ湖ワカサギのシーズンは極端に遅れていた。

あちー

昨日も朝まずめはさすがに涼しかったものの、太陽が昇ると同時にジリジリとまるで真夏のように照りつけてきて、ボートの上で汗だくである。あちー。なんだよこのワカサギ釣り。氷の上で釣ったりするあのワカサギですよ。

こんなことならやっぱり釣れても釣れなくても山奥の渓流に行けばよかった、、、と後悔しても後の祭り。がんばって朝9時まで釣ったが、あまりの暑さにそこで撤退した。結果の方は親子三人でたったの50匹と到底納得できるものではなかったが、熱中症で家族が全滅するよりはマシである。

ボートの上で折り重なるように倒れていました、それでも竿は離していませんでしたというのではシャレにならない。しかもパパの手だけは死んでも上下に動いてワカサギを誘っていましたと。想像できるところが自分でもこわい。

やっぱり納得いかないぞ

さて、せっかくのバカンスなのだからこのまま一日が終わってはもったいない。最近の週末の中央道は常にムチャ混みで、河口湖から都内まで4時間くらいかかるのは普通である。だから早々に中央道へ乗って(それでも御殿場から山中湖までの下道は1時間かかった)、夕方だけ近所の沼へ釣りに行った。

ふだんこの沼で釣るときはルアーを投げているのだが、最近はスレてきたのと、昼間の釣りが納得のいかないものだったので、ここは自分のもっとも釣りたい釣り方でやろうと思い立ち、#3のフライロッドに0.8号のティペットを結んだ。

というのはこの沼で先週、5センチほどのバス稚魚の群れを見かけたからだ。今年生まれた魚なのだろうが、もちろんルアーで狙えるサイズではない。狙っても仕方ないっていえばそのとおりだが、今日はとにかく自分の思い通りに釣りたかった。

じつはこの沼ではこれまでフライを振ったことがなかった。バックに障害物があってロールキャストしか打てないのが不満だったからだが、今日は最初からロールのつもりだ。で、フライは#12のクロスオーストリッチを結んだ。

クロスオーストリッチで

『フライの雑誌』90号で特集したあのクロスオーストリッチである。フライマンすら見たことがないこの沼のバスたちは当然見たことがないフライだ。釣れるか、釣れないか。けっこうドキドキしながら第一投。きたっ。ちっちぇ。こんなちっちぇいバスは釣ったことがないぞ。投げる角度を変えて第二投、またきた。#12が口からはみ出ている。ちっちぇ。でも面白い。

そんな感じで夕方暗くなるまでのたった30分間だったが、小バスの入れ食いで楽しんだ。けっきょく釣りはなんでも楽しい。釣りのある私の人生でよかった。

そして大満足しておうちに着いたら、芦ノ湖ワカサギの揚げたて天ぷらが待っていたというわけだ。