昨日の管理釣り場と桂川イブニングライズ

管釣りで入れ食い

昨日は近郊の管理釣り場へ行った。2つあるうち高い方の池はぬるま湯で魚も夏バテ、見えマスはほぼ病気という状況で全然ムリ。ならばと移動した安い方の池は、ライズばんばんでルアーマンが数人にフライの人がゼロというラッキータイムのまっただ中だった。

ドライでも普通に出るのは必定の見立てだったが、せっかく昨夜巻いてきたんだからと例のクロスオーストリッチを持ち出して、なおかつコイル仕掛けの先に結ぶという虐待フルコースを選択した。

ルアーの人は最近流行りの片膝ついて頭の上にロッドを掲げた、一見繊細そうな競技スタイルの釣りをしている人がほとんどだった。ラインは2ポンドとかそんなものだろう。まあしかしフライフィッシングがその気になったときの繊細さに、ルアーがかなうはずはない。べつに勝ち負けではないが事実そうでしょう。

個人的には昨日はスカッとバンバン虐待したかったので、0.8号のハリスに#14のノーウェイトのクロスオーストリッチを結び、水面もしくは水面直下を漂わせてコイルもしくは目視でアタリをとった。あんまり繊細じゃあないです。

フライフィッシングがブームだった時代はともかく、最近のこの池はフライよりもルアーマンの比率がはるかに高い。そのせいかどうか、私のクロスオーストリッチにはひっきりなしにアタリがあった。あまりに釣れるのでラバーネットを傍らにおいて、ズバッとランディング、ポンと外してパッと投げてまたヒットという下品な釣りをしてみたが、10数尾連続で釣ったところで飽きた。競技の人はスゴいな。

釣りの方はそんな感じだったが、釣り場で初めてお会いした方と釣り以外の思わぬことで盛り上がったりして、面白い時間だった。

シーズン終盤の桂川、イブニングライズを釣る

夕方、シーズン終盤に再び盛り上がり始めたイブニングライズを狙って桂川へ移動した。

べつに約束しておいたわけではないが、『フライの雑誌』第90号に「パニック・ライズ」(釣行記として五つ星の名作!)を寄稿してくれた松井真二さんと、「桂川ヘンタイ座談会」シリーズでおなじみ、友人の井上逸郎さんがたまたま桂川へ来ていて、図々しく合流させてもらった。聞けば昨日も二人は桂川へ来ていて、しかも松井さんはサンゴーを仕留めたんだとか。桂川ヤマメには大天敵の二人組である。

夕方5時をまわった頃からライズがボコボコに始まった。松井さんも井上さんもごくごくあたりまえに「ちっさー」と笑いながらライズをとる。しかしそんなちっさいヤマメでさえ、私の流すフライにはほとんど見向いてくれない。

たまに出てきてもトロ場では光の速さで「ジュボッ」と私のフライのすぐ脇でライズする。尺なんてもちろん釣れる気がしない。こりゃダメだと下流の深瀬へ移動し、なんとか数匹かけてお茶を濁した。よく知られているようにトロよりは瀬の方がライズをとりやすい。

「パニック・ライズ」の人が冷静にヒット

その後、私は釣りをやめて井上さんの釣りを見ていた。第89号の「39.5cmの大ヤマメはいかにして釣られたか」で紹介したポイントに入った井上さんは、89号に書いてあったまんまのヘンタイ・スタイルで大ヤマメをしつこく狙っていた。

で、突然ドッパーン! ブルドーザーを投げ込んだようなでっかいライズ音!「ウワアッ!」。なぜか関係ない私の絶叫が谷底に鳴り響いた。うるさくてごめんなさい。

世界に冠たる桂川の尺ヤマメはそりゃあもう釣りたいが、私なんぞはヘンタイの世界にはまだまだ遠い。ていうか、正直それでいいような気もする。

追伸:釣れたヤマメを見せてもらいに近づいた時、「あ、そこ一番いいトコ…」って言われたときはもう、ポイントのど真ん中をウェーダーで踏みしめいた。素人でごめんなさい。