「お前らの思い通りにはしねえよ、絶対」とヤマメが言った。

今年の桂川シモは最初だけまあ普通だったけどあと撃沈続き。わりと泣きそう。昨日も川に立っていた。

濁りが入ってる。魚の姿なし。
コカゲじゅうたん爆撃とか、オオクマ砲兵隊進軍せよとか、助けてヒゲナガ三銃士とか妄想しつつ、なにもなし。先生から携帯へご架電いただき、つい出てしまい、つい楽しくて、1時間も話し込んでしまった。その間、ライズが目の前でバシバシ。電話が終わったらライズも終わった。オー。
今シーズンは9フィートの古いグラファイトを持ち出した。魚が釣れないことを除いてはすこぶる調子がいい。こうして写真で見ると、常に変化する不定形の曲線で形づくられている渓流の情景に、工業化製品のシャキーンとした感じを置くと、なかなか違和感があるのがわかる。だから自然素材のバンブーロッドが、って言いたい訳ではないけれど。
釣れない理由は、車の中でかけたBGMが悪かったからかなとか、帽子を替えたからかなとか、釣り券を買ったコンビニがいつもと違ったからかなとか、家を出るときに子どもが「気をつけてね」と二度も言ってくれたのにその直前に何かのどうでもいい理由でわたしが子どもに怒っていたために子の声を無視して目も合わさずに玄関ドアをバタンと閉じてしまったからかな、とか色々、色々かんがえた。草よ、わたしの気持ちを分かってくれるかい。
夜に上州屋八王子店さんの「巻き場」へ。たまたま黒石真宏さんがいて久しぶりに話せてすごく楽しかった。桂川関連で本誌常連の井上逸郎さんがいたので、「今日もこんなひどい目にあいました。」と訴えたところ、
井上さんがこないだ釣ったというヤマメの、胃内容物の写真を見せてくれた。おー。ガガンボはハッチ直後と産卵絡みの個体とでは脚の形状も色具合も違うんだよと教えてくれた。「桂川のヤマメはその違いを識別して選んで食ってるんですか。」。「うん。やつらは選んでるね。」。おー。桂川のヤマメの無駄な学習能力にも呆れるが、井上さんみたいな人と連日同じ川で同じ魚を狙ってるのかと思うと、そりゃわたしなんかには厳しい闘いになるに決まってる。ぬおー。
家に帰って『新装版 水生昆虫アルバム』のガガンボのページを開いた。172ページに注目。次回はイマージャーのモヤシみたいなひょろんとしたのを作って水面下ドラグフリーでやってみる。
新装版水生昆虫アルバム(島崎憲司郎著)
新装版水生昆虫アルバム(島崎憲司郎著)
第111号(2017)よく釣れる隣人のシマザキフライズ とにかく釣れる。楽しく釣れる。Shimazaki Flies すぐ役に立つシマザキフライの実例たっぷり保存版!
マシュマロ・スタイル(マシュマロ・ピューパ、マシュマロ・テレストリアル、マシュマロ・バグ、マシュマロ・アント、シケーダ、マドラー、マウス、ダブルフライ・リグ)、バックファイヤーダン、シマザキ・ガガンボ、シンプルモンカゲ、シマケンコイル、アグリーニンフ、ピカイチ・シンプルニンフ、ストレッチ式アイカザイム、クロスオーストリッチ