「イトウの採捕禁止 北海道が条例適用」

北海道のイトウ釣りについてニュースがとびこんできた。

イトウの採捕禁止 条例適用、道が検討 激減水系を対象

絶滅危惧(きぐ)種のサケ科の淡水魚イトウの保護策について、道は、後志管内の尻別川など生息数が激減している水系では、固有の遺伝子を持つ地域個体群として道希少種保護条例で指定し、釣りを含む一切の採捕を禁止することを検討している。生息状況などのデータを集めて、専門家の検討委員会に諮り、早ければ新年度中に指定する。…尻別川や斜里川など三−四河川については貴重な地域個体群として、二〇〇一年施行の道希少種条例で指定し、採捕禁止の対象として保護することを検討中だ。
 これ以外の河川の釣りについては、宗谷管内猿払村などで、産卵期には釣りは産卵場所の下流で行い、釣り上げても放流する−などの自主的なルールが定着していることを踏まえ、規制は行わない方針。
 さらに、河川工事を行う道建設部や開発局、森林管理局、北海道防衛局などに対し、生息河川の環境保全を要請する。魚の往来を妨げる工作物を造らないことや産卵床の保護などが含まれる見通し。…(北海道新聞 3/10夕刊

2007年末、北海道環境生活部は「イトウ釣り自粛をお願い」する姿勢をとつぜん発表した。道内の多くの釣り人とイトウ研究者たちから反発を受け、すったもんだの後に、2008年3月、撤回するに至った。その内容と経緯は、『フライの雑誌』第81号(2008年5月)で、「『幻の魚』イトウ釣りを考える」という特集を組んでくわしく解説した。

今回北海道は、当時撤回した「自粛お願い」すらとびこえて、いきなり条例化する意志を打ち出してきた。道からのイトウ釣り規制方針を受け、社団法人北海道スポーツフィッシング協会は、イトウに関する勉強会を各種開催して、独自に熱心な議論を進めている途中だったが、その存在は無視され、完全に面子をつぶされたかっこうだ。

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