独立行政法人水産総合研究センター さけますセンターさんからご案内をいただいた。
独立行政法人水産総合研究センターでは、富山県農林水産総合技術センター水産研究所、山形県内水面水産試験場、秋田県農林水産技術センター水産振興センターと 、共同で本州日本海域のサクラマス資源の保全と回復を目指した指針作りの研究に取り組んできました。この指針をサクラマス資源の保全と回復のため、内水面漁協、鮭鱒増殖組合、行政機関などの多くの関係者に活用していただくよう、成果の概要をパンフレットにして配布することにしました。
タイトルは「サクラマスのまもり方・ふやし方 ~川でできること~ 地域特性に応じた河川の適正利用によるそ上親魚と降海幼魚保全のための指針」。「貴重な、愛すべきサクラマスを守りふやす方法を次のように提言します」として、本文中で以下の5項目が挙げられている。
1.河川に遡上したサクラマス親魚に産卵させる
2.遡上・産卵できる川を見つける・守る
3.簡易魚道・人工産卵場をつくる
4.放流は種苗を選んで慎重かつ適切に
5.規則で親魚と幼魚を守る
サクラマスの増殖はこれまで、シロザケと同じ人工種苗放流が国策として進められてきた。しかし、河川に遡上してきた親魚を人間が捕獲して産卵期まで蓄養し、人工採卵してふ化させた稚魚を河川に放流して親魚の遡上を待つというアプローチでは、大きな効果を得られなかった。
サクラマスを増やすには川を川として守り、人間は何もしない方がいいとは、小社『フライの雑誌』連載の「サクラマスはどうすれば増えるのか」で、東京海洋大学名誉教授・水口憲哉氏が発言しつづけてきた内容である。
本連載はこの春、単行本新刊『桜鱒の棲む川 ─サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』(水口憲哉著/フライの雑誌社刊)としてまとめられた。本書ではサクラマスのいまだ謎多き生態を解明し、全国各地のサクラマスの棲む川の現状の分析と今後の展開が、熱く分かりやすく語られている。
地域、国、研究者、釣り人から今もっとも注目されている美しいマス、サクラマスについてご興味のある方は、ぜひ「サクラマスのまもり方・ふやし方」及び、『桜鱒の棲む川 ─サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』を手にしていただきたい。