「一度壊れてしまった自然をもとに戻すことはとても難しいことだから」

夏休みといえばカブトムシ、クワガタ。

1992年 地球サミット(リオ)
1993年 生物多様性条約 署名
1995年 生物多様性国家戦略 策定
1999年 8cm超のオオクワガタに1000万円が話題
1999年 農水省 植物防疫法改定による外国産のカブトムシやクワガタ輸入解禁→大量輸入始まる(小渕内閣 中川昭一農水相)
2002年 生物多様性条約 第6回締約国会議(COP6)
2003年 新・生物多様性国家戦略作成 予防を原則
2003年 ムシキング 大ブーム
2003年 ブラックバス害魚論ブーム、「皇居のお濠のかいぼり作戦」実施
2004年 特定外来生物法 成立(小泉内閣 小池百合子環境相)
2005年 特定外来生物法 施行 → 特定外来生物指定
2006年 生物多様性条約 第8回締約国会議
2010年 国際生物多様性年「現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」→〝絶滅危惧種 損失の要因「開発・改変、直接的利用、水質汚濁」による影響が最も大きい〟(環境省
2015年 環境省「外国産カブトムシ・クワガタムシを飼育されている皆様へ

近年、東南アジアや南米から輸入されたカブトムシやクワガタムシが数多く販売されています。これらの外国産のカブトムシやクワガタムシが日本国内で野外に放たれた場合、日本固有の生態系にさまざまな悪影響を与える可能性があります。

クワガタハカセに聞く

最近外国からやってきたのがたくさん売られているよね。カブトムシやクワガタの日本への輸入(ゆにゅう:もってくること)はここ数年で急に増えていて、去年はわかっているだけで100万匹くらい日本にやってきているんだよ。僕がこどものころは、カブトムシやクワガタを日本にもってくることは禁止されていたんだけど、それから考えるとすごい数だよね。

外国からやってきた生き物が、日本の自然の中でどういう問題を引きおこすかについては、まだまだわかっていないことが多いんだ。でも、一度壊れてしまった自然をもとに戻すことはとても難しいことだから、危ないかなって思ったら注意したほうがいいと思うよ。

←今ココ

生物多様性国際条約に署名しておきながら、甲虫ブームになると外国産カブトムシ・クワガタムシの輸入を解禁。風向きが変わると一転外来種を規制する法律を作り、といって従前の施策は見直さない。絶滅危惧種損失の最大要因に自然環境の開発・改変を認めているが、ダムやらリニアやら空港やら原発やらの土建体質は改めない。ただ国民には「外来種には注意したほうがいいと思うよ」と。

あらためて整理してみると、生物多様性だとか外来種への対応に関して、日本のやってることむちゃくちゃ。

> 生物多様性総合評価における外来生物法の評価について(資料pdf 環境省

> カブトムシは北海道じゃ外来種だから(北海道環境生活部

生物多様性の保全及び持続可能な利用(環境省)
生物多様性の保全及び持続可能な利用(環境省)|昆虫が入ってないという。
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