「犬を放しても罰金50万円?」(『ダ・カーポ』)

『ダ・カーポ』(マガジンハウス)最新号の「エコ最前線」で、<年内をめどに自然公園法施行令を改正し、国立公園・国定公園の特別保護地区内において、外から持ってきた動植物の放出を禁止することになった>旨を紹介しています。ペットを野放しすると、6ヶ月以下の懲役か50万円以下の罰金に。記事のタイトルは「国立公園の生態系を守れ!犬を放しても罰金50万円?」。
『フライの雑誌』第66号(2004年初秋号)の「フィールド通信」で、今回の自然公園法改正情報を先取りし、「犬を散歩させると懲役?」と皮肉を込めて書いたことが、現実になってしまいました。
じつは2004年7月に読売新聞が「国立・国定公園、動植物の持ち込み禁止…来春に法改正」とフライング気味にぶち上げた記事があり、小誌の記事はそれに疑問をもって書いたものでした。当時、小誌の取材に対して環境省の担当官は、「今回の読売の記事は明らかに書き方に問題がある。誤解だし、あおりだ」と答えていたのですが、1年たっていざ決まってみればこのような結果となりました。
『ダ・カーポ』の記事は、環境省国立公園課課長補佐氏のこのような発言で締められています。

日本のコイがアメリカで繁殖して水草を食べ尽くしたという例もあります。動植物は基本的に動かさない方がいいと思います。

人間社会の基礎にある農耕牧畜、さらに農水行政の栽培増殖事業は、動植物を動かすことそのものです。