「釣りと仕事の関係について考える」2016

この号が出たら全部忘れて一人で川へ行こう。

わたしの場合、フライフィッシングの本を作ることと自分自身のフライフィッシングとは、リンクしていない。わたしは最近トシくったせいか多少現実肯定派になってきた。いまの自分の精神環境はすごく幸せだと勝手に思っている。

『フライの雑誌』の第40号(1997)の特集「釣り人の職業」(この特集はわたしが企画した)へ、わたしも大好きだった西山徹さんが寄稿してくださった。当時、トラウト・フォーラムの代表だった西山さんが、「金もうけもあまり興味ないので、そこそこに食えて、楽しいフライフィッシング生活ができればいいと思っているんです。」と書いていたのを覚えている。

いまのわたし的には、金もうけにはあまり興味がない。というより、金もうけしたくてもできない人生を選んでしまった。ことは諦めている。それはそれとしても、締切前に半月くらい編集部に缶詰めになって、寝不足が延々つづく地獄を込みで、自分も楽しいフライフィッシング生活をやらせてもらってますよと、天国の西山さんへ半ベソかきながら報告できる。もうすぐオイカワ釣りも始まるしね。

あともうひとつ、同40号の釣り場時評で、水口憲哉さんが特集テーマを受けて、「釣りと仕事の関係について考える」という面白い文章を書いている。

大切なことは、釣りの楽しめる仕事は何かを探し求めることではない。今やっている仕事を釣りが楽しめるようにどう変えてしまうか、さらには、釣りと仕事が区別のつかないものにしてしまうことだろう。後者の見本が島崎憲司郎さんだと思う。ちがったらごめん。
(単行本『魔魚狩り』62ページに収録)

「ちがったらごめん」という水口さんのこの見方が、本当に「ごめんなさい」にあたるのどうかについて、これまで島崎憲司郎さんから言及されたことはなかった。『フライの雑誌』の次号第108号特集◎シマザキ・ワールド15で、島崎憲司郎さんがそのあたりについて語ってくれているように、わたしには思う。

果たして水口憲哉さんは、ごめんなさいするのか、それとも、20年越しでピースサインするのか。

次号の特集◎シマザキ・ワールド15をどうぞお楽しみに。

『フライの雑誌』40号(1997)品切れ うちにもこの一冊しかないです。
『フライの雑誌』40号(1997)品切れ うちにもこの一冊しかないです。
『フライの雑誌』40号(1997)品切れ その昔の河口湖で西山さんとおかっぱりでニジマスを釣っていて、なぜかわたしだけ連発した。その内に西山さんがだんだんこっちに近づいてきたのはわたしの自慢だ。あの釣り人的な素直さが西山さんの魅力だった。
『フライの雑誌』40号(1997) その昔の河口湖のキャンプ場岬前で西山さんと一緒におかっぱりでニジマスを釣っていて、なぜかわたしだけ連発した。最初は50メートルくらい離れて釣っていた西山さんがその内だんだんこっちに近づいてきて、最終的にはぴったり隣りに張りつかれたのは、わたしの自慢だ。西山さんはいい歳こいたビッグネームのくせに、フライロッドを握ってるときはそこらの釣り小僧みたいになるところが好きだった。
『フライの雑誌』40号(1997) このリード文はわたしが下書きしたのを、中沢さんが全面的に書き直した。「オレ」というカタカナの一人称や「お腹いっぱい釣りをして」のあたりが中沢節。
『フライの雑誌』40号(1997)品切れ このリード文はわたしが下書きしたのを、中沢さんが全面的に書き直した。「オレも」というカタカナの一人称や、「お腹いっぱい釣りをしてから次のことを考える」のあたりが中沢節。数えたらこの時の中沢さんは、いまのわたしより若いでやんの。
『フライの雑誌』40号(1997) もっと寄ってみましょう。
『フライの雑誌』40号(1997) もっと寄ってみましょう。
なんかなつかしいです。
なんかなつかしいです。
『フライの雑誌』40号の隣人のフライボックスは 斉藤良文さん(カブラー斉藤)だった。毛鉤に味がある。
『フライの雑誌』40号の隣人のフライボックスは斉藤良文さん(カブラー斉藤)だった。毛鉤に味がある。
89号
第89号|クロスオーストリッチ 新しいスタンダード・フライの可能性
originated by 島崎憲司郎
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第90号|特集:クロスオーストリッチを巡って around the Cross ostrichタイイングと解説 島崎憲司郎
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第98号|特集:シマザキワールド 13 マシュマロ特集
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第102号|特集:シマザキワールド 14 Shimazaki Flies 2014 Selection
特集◎1 再発見・芦ノ湖の鱒釣り ブラウントラウト、サクラマス、ニジマス、イワナ… 箱根・芦ノ湖の今と可能性を考える ●箱根山塊の雄大な景観の中でフライフィッシングを楽しめる神奈川県の芦ノ湖は、国内では貴重なマスの釣れる自然湖だ。芦ノ湖を愛して関わってきた多くの人々の想いを縦軸に、魚たちの暮らしを横軸に、’80年代以降現在までの芦ノ湖の姿を振りかえり、今後の望ましいありようを考えます。 特集2◎ シマザキフライズ × I.F.F.F. in 桐生 tyer 島崎憲司郎 ※第107号は大ボリューム144ページ
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特集2◎
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