『フライの雑誌』の90号〜97号でいちばん売れた号はこれです。

過日、直近約2年間の『フライの雑誌』各号ごとの販売部数を集計し、比較してみました。じつはこういう作業をするのは1987年の創刊以来初めてではないかと思います。エクセルを使えばかんたんにグラフが作れるようなのですが、分からないので紙に手書きしました。

2010年9月以降、現在までに『フライの雑誌』は9冊出ていました。季刊誌にしては1冊少ないようですが、そこはスルーしてください。

各号ごとの特集内容は以下の通りです。

90号 クロスオーストリッチを巡って 2010年9月  
91号 ただ一本の竹竿1 2010年12月
92号 ただ一本の竹竿2 2011年3月
93号 東北へ行こう! 2011年6月
94号 あなたのフライボックスはなんですか? 2011年9月
95号 オトナの管理釣り場 2011年12月
96号 ただ一本の竹竿3 2012年4月
97号 釣り人の明るい家族計画 2012年7月
98号 シマザキ・ワールド13/いましろたかしインタビュー 2012年11月

『フライの雑誌』は各号でだいたい20ページ超の大特集を組んでいます。レギュラー連載陣が強力なので、編集サイドにはそれほど特集を偏重している意識はありません。しかし今回、各号ごとで書店さんからの返本率にかなりの開きがあることが分かりました。これはたぶん特集内容による有意な差異だろうと思われます。今ごろなに言ってるんだという気がしないでもありません。ていうか、今ごろなに言ってるんでしょうか。

95号特集◎オトナの管理釣り場

90号から97号までの8冊で、返本率が断トツで低かったのは、「特集◎オトナの管理釣り場」を組んだ第95号でした。これは意外でした。ふだん『フライの雑誌』では「管理釣り場」を正面から扱うことはあまりありません。フライのキャリアが浅い方にも入りやすいテーマだったので、いつもの読者さんに加えて、いわば一見さんの読者さんが多く買ってくださったのだろうと思われます。そのまま固定の読者さんになってくださればいいのですが、世の中はそうは問屋が卸しません。せつないです。

90号から97号までの8冊で、実売数が断トツで高かったのは、「特集◎明るい家族計画」を組んだ第97号でした。これは特集企画の充実はもとより、特集巻頭に写真と文章を寄稿してくれ、表紙にもなってくれた人気アイドルのSKE48加藤るみさん効果だと思われます。SKE48さんは今年の紅白歌合戦に初の単独出場が決定しました。おめでとうございます。

97号◎釣り人の明るい家族計画 表紙&特集寄稿:SKE48 加藤るみさん
『フライの雑誌』がアイドルを表紙にしたのは初めてのことです。むしろ普段はアイドルともっともかけ離れた立ち位置にいるのが、世界でもっともオタクでハードコアなフライフィッシングマガジンたる『フライの雑誌』であると言えましょう。釣りの業界的には「なんであんなとこがアイドルとつながりがあるんだ!?」と、かなりのインパクトがあったようです。気持ちよかったです。

この97号については、うるさ型の読者さんの中にはあれこれ言いたい方もいらっしゃったご様子です。97号の発行後、編集部にわざわざ電話をかけてきてご意見をくださった知り合いの読者さんがいました。「女の子が表紙なんて『フライの雑誌』ではない。ダメだ。ぜったい認められない。」とのこと。激高されています。

どこらへんがダメでしたか? 彼女の文章はとてもよかったでしょう? と尋ねてみると「読む気しないから読んでない。」だって。がくっ。食ってから文句言ってくれ、と本来なら言いたいところです。だから「読んでから文句言ってくださいよ」と言いました。言ってんじゃん。いずれにせよ気にかけてくださっているのは大変ありがたいことです。実際のところ読者カードを集計してみると、「最初はビックリしたけど、読んで納得した。素敵なお嬢さんですね。」という意見ばかりで安心しました。それらの一部は98号の読者通信欄で紹介しています。

98号◎シマザキ・ワールド13(島崎憲司郎)/いましろたかしロングインタビュー

最新の第98号はまだ出たばかりです。98号の特集は『フライの雑誌』の名物鉄板企画である島崎憲司郎さんの「シマザキ・ワールド」です。すでに追加の発注を多数いただいています。amazonでの販売数も通常に比べて倍以上の勢いです。これからの動きも楽しみです。

さて、『フライの雑誌』は98号の編集後記でご案内しました通り、第100号からは新態勢へと移行します。

『フライの雑誌』の次号第99号は新態勢前の最終号となります。来年2月20日の発行予定です。

どうぞ今後ともご指導・ご協力のほどよろしくお願いします。