20年前、30年前の釣り雑誌のバックナンバーを一冊、一冊めくっている。『Angling』はたしか全部持っている筈だと押し入れから段ボールを引っ張りだしたら、やはり創刊から休刊までの全ての号を、ほぼ完ぺきに近い状態で保存していた。私もこれでそこそこマニアかもしれない。
昔の釣り雑誌をひもとくと、いま釣りの業界で有名なあんな人やこんな人の、過去の仕事がぜんぶ分かる。なかにはまともな神経の持ち主なら目を覆いたくなる恥ずかしい写真や文章も載っていて、興味深い。
若気の至りとはいうが、いくら若かったからといってもそれは言い訳にならんでしょ、と突っ込みたくなる香ばしい人々も多い。いっぽう数は少ないが、後世に残るレベルの記事ももちろんある。せんだんは若葉より芳しいとは真実だと唸る。まさに玉石混淆で、それが時代に後押しされたジャンルの勢いだったのかと思う。
私どもが作っている『フライの雑誌』も、ずっと後年まで保存してくれる奇特なマニアが、世界のどこかにいてくれるかもしれない。一度出したら二度と引っ込められない。そこらへんが印刷媒体のやりがいであり、面白さであり、恐ろしさである。『フライの雑誌』次号は近代フライフィッシングの歴史に興味がある方へ特におすすめしたい。
この10月1日にダイワ精工さんが社名変更した。CIのトータルプロデュースは例の佐藤可士和氏だそうだ。’80年代の『Angling』風に呼びかけると、「この新しいロゴをキミはかっこいいと思うか!」という感じか。
それにしても、学校から帰ってすぐテレビにかじり付いていたおニャン子クラブから四半世紀もたつのかと思うと、自分がすごく年寄りになった気分だ。ちなみに私の好みは新田ちゃんでした。