【松田慶三プロデュース第二弾・プロレスリングDo】3.3横浜ラジアントホール決戦 観戦記

レスラーはみな一流で試合もすばらしい。なのにプロレスを知らない自称お笑い芸人の素人リングアナが、せっかくレスラーが盛り上げた会場の空気をいちいちぶち壊すという、珍奇な興行だった。プロレス興行にとってリングアナは、レスラーの次に重要な存在だと改めて思い知った。

名前を言いたくもない自称お笑い芸人は、選手名紹介の前に「まず始めに」とか言うわ、選手のコール順を間違えるわ、ろれつは回らないわ、ゴングは鳴らしそこねるわ、「本日のメインイベント」と言うところを「本日のメイン試合」とか言うわ、もう史上最悪の仕事ぶりだった。まじめにがんばってるのに青息吐息でできないならプロレス的にがまんもできるし応援もするが、彼は多分ばかなんだと思う。ばかにリングアナはできない。

ばかならよけいに練習するべきなのに彼は何の準備もしておらず、プロレス興行のイロハをなにも知らないままリングに上がってきた。プロレスを知らない者がプロレスのリングに上がるのはリングへの冒涜だ。場外乱闘のときにしっかりアナウンスできないと観客に危険が及んでしまうことにもなる。前半戦で自分の失敗に薄ら笑いを浮かべていたのには殺意を覚えた。

あまりのひどさに、ダンプさんがリングの上からマイクで怒ってくれたのはよかった。「お笑い芸人だかなんだか知らないが、お笑いだって勉強だろ!」。さすがはダンプさんだ。ダンプさんに会場が助けられた。わたしをはじめ会場内の一部のお客さんは暴動寸前だったから。

試合は第一試合からメインまで非常に充実していた。アップルみゆきはかわいいのでダンプさんにフォーク攻撃を喰らって頭から流血していた。アップルの甲高い悲鳴と切ない表情がたいへんよかった。旧姓・広田さくらはむかしの広田さくらのまんま。人妻になったことをもう少しアピールしないと会場の一見さんには「ゼクシィ」ネタが分からなかったろうと思う。モンスター℃の中身は前と違った。

メインイベント、慶三とブラックバファロー(山田圭介)の15年ぶりの邂逅は、圭介若社長時代のIWA-JAPANを知るファンには慟哭ものだった。フリーダムズ、大日本勢もすばらしかった。セブンの息子ががんばってる頑固プロレスにまた行こうと思う。

昨日のプロレスリングDoは最近のプロレス団体にはちょっとない、なつかしくもあたたかく会場で一体感を伴ったヒートアップもできる独特の空気感がある。あの自称お笑い芸人にリングアナをやらせるのだけはもう勘弁してほしいが、次回興行があったらまた行きたい。前回に引きつづき今回も超満員。

メインイベント:松田慶三&ブラックバファロー対アブドーラ小林&関本大介
メインイベント:松田慶三&ブラックバファロー対アブドーラ小林&関本大介

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