あなたが「守りたい」と思う生き物は? 兵庫県篠山市は昨年12月、小学校6年生を対象にこんなアンケートを行い、結果を発表した。1位に輝いたのはゲンジボタルで、48位までをランキング。「丹波篠山いきもの48(TSI48)」と名付け、子どもたちが身近な自然の大切さを知ってもらうきっかけにしたい考えだ。…
「守りたい生き物」は人気アイドルグループにあやかり「TSI48」と命名。ほかに「見たことがある生き物」も尋ね、順位をつけた。昨年策定した教育大綱で「各地域で生き物のヒーローを見つけよう」としていることもあり、学校別の順位結果も出して各校に送り、教育現場で役立ててもらうという。(2016/6/4 05:30 神戸新聞NEXT)
生き物の命は等価で相関している。だから生き物どうしの関係性を担保する環境ごと保全しましょうね、というのが生物多様性の教育の本筋だろう。
生き物に順位をつけてセンターを選ぶのは、まるで逆。面白ばなし的に紹介しているこの記者さんは、分かってないのだろうなあと思う。むしろ、ただ引用しただけのような、
「多くの生物がいて生態系が成り立っていることを学校や地域で共有できれば」としている。
という市農都環境課のコメントが救いになっている。
生物多様性に関連して、環境省さんのまとめた「侵略的な外来生物とは」の定義を読み返す。
細かいことはわきに置いて、環境省さんの言ってることは大筋で理解できる。落としどころはこんな書き方だろうと思う。教科書でも教えやすいだろう。うまくできている。
でも、口で言ってることと、肝心のやっていることが頓珍漢で、時に相反することを平気で税金使って進めているのは、大問題だ。そして、国が設定した規範をどこの地域にでも一律にあてはめることは、それこそまさに地域ごとで多様であるべき生物多様性の精神に反しているのは明白だ。
人間の都合で法律ができる。
生物多様性主義を振りかざすそのスジの関係者さんだって、そんな基本的なことはもちろん理解しているのに、都合の悪いことには目をつぶり、自分の利益になるように、おいしいところだけ法律を利用する。
もっと魚を釣りたいから、もっと魚を増殖してほしい、と釣り人は思う。逝っちゃった系の釣り人なら、「釣り人は釣りができなければ死んでしまうんだ」くらいのことは平気で言う。「そこにいる魚を釣るのがなぜ悪い」とわたしも言う。ハチが生け垣に巣を作れば駆除するし、病気を媒介するカなんか絶滅させてしまえばいいとも思う。
どれも似たようなものだ。人間の業はふかいですね、という話だ。
善だの悪だの、在来だの外来だの、侵略的だの産業管理的だのというくくりとは、まったく関係なく、生き物は生きている。意味を欲しがるのは人間だけである。
〝じゃあ、どうすればいいのさ。〟という方は、『魔魚狩り』をお手にとっていただければ幸いです。
やなせたかし作詞