いろいろトライしてみる。

2007年初版の『海フライの本2』はずっと品切れ。でも増刷するお金はない。せっかく作った本がお蔵入りのままになっているのは、版元として何よりツライ。本は自分の子どもみたいなものだから、古書市場で高値で取引されているのを見るのは哀しい。

じゃあ電子書籍化しようか。といってアプリ化の外注費は出せない。ならば印刷物をページごとの画像にして電書化したらどうか。これなら社内制作で対応できる。元原稿が印刷物なので、級数に可変性はなく、鮮明度も落ちる。

だとしても、本を全くお届けできないよりは、はるかにいいはず。フライの雑誌社のやさしい読者は、こういう対応でもたぶん許してくれると思う。アナログ的電子書籍による、品切れ本のアーカイブ化である。

我が社のように、マンパワーもお金もない零細版元にとっては、これが電子書籍の現実的な使い道ではないか。少なくとも電書登場以前は、不可能だった書籍の保存&公開方法だ。

版元としては、とにかく〝作った本を届けたい〟のである。

いろいろトライしてみよう。

『海フライの本2 LITE版』を無料公開。『完全版』は後日リリース。
書籍版(3150円)の半額以下で提供予定。

「LITE版」無料公開中