この状態でだれがオリンピックを東京で見たい?

2001年9月1日、44人が死んだ歌舞伎町のビル火災の夜、この世の終わりみたいなサイレンの渦をわたしは新宿2丁目の仕事場で聞いていた。

あの火事以降、歌舞伎町にはホストと風俗案内所が激増し、2丁目住人の自殺や夜逃げでは少しも驚かなくなった。

10日後、NYの9.11。世間がテレビの前で大騒ぎしていた時間は2丁目で遊んでいた。翌朝に中央線沿いのホテルのロビーで新聞記事を見て、初めてそれを知った。

飛行機がWTCへ突っ込んでいた。戦争がはじまるんだ、と思った。横から誰かがわたしの新聞をのぞき込んで、「なにがあったのかな」。

わたしは新聞から顔をあげて言った。「大丈夫だよ」。

2002年にはワールドカップのばかみたいな大騒ぎ。

2011年に地震と原発事故で2万人が亡くなって、まだ見つかっていない人もいる。原発は見ての通りだ。むきだしの1.8シーベルトなんて聞いたことがない。もちろん海へ流れ込んでいるにきまっている。

それなのに2020年には東京でオリンピックを見たいか、ですって?

わたしたちはなかなかすごい時代を生きている。

今日はハヤ釣りです。

人生ぐるぐる、ぐーるぐる。
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