本誌連載中の桂師、松井真二さんと知り合って間もないころ、桂川で一緒に釣りをした。その日のイブニングライズ待ち、夕やみが次第にせまってきた川原で、松井さんが「ヤマメを釣って放すだけなのに、なんでこんなに楽しいんだろう。」とふと漏らした。もう10年近く前になるのだが、あのときの言葉と、松井さんのなんともいえない優しい表情を、いまだに鮮明に覚えている。
ほんとなんでこんなに楽しいんだろうね。
昨日は天気がよかったので、妻が作ってくれたお弁当を持って、川へ行った。お弁当を食べるついでにオイカワ釣りもした。と、後で報告したら、「釣りのついでにお弁当を食べたんでしょうに。」と言われた。
こんなちっちゃな魚を釣って放すだけなのに、なんでこんなに楽しいんだろう。