こんな小さな魚を釣って放すだけなのに、なんでこんなに楽しいんだろう。

本誌連載中の桂師、松井真二さんと知り合って間もないころ、桂川で一緒に釣りをした。その日のイブニングライズ待ち、夕やみが次第にせまってきた川原で、松井さんが「ヤマメを釣って放すだけなのに、なんでこんなに楽しいんだろう。」とふと漏らした。もう10年近く前になるのだが、あのときの言葉と、松井さんのなんともいえない優しい表情を、いまだに鮮明に覚えている。

ほんとなんでこんなに楽しいんだろうね。

昨日は天気がよかったので、妻が作ってくれたお弁当を持って、川へ行った。お弁当を食べるついでにオイカワ釣りもした。と、後で報告したら、「釣りのついでにお弁当を食べたんでしょうに。」と言われた。

こんなちっちゃな魚を釣って放すだけなのに、なんでこんなに楽しいんだろう。

今の時季は昼間からばんばんドライに出る。
今の時季は昼間からばんばんドライに出る。
秋の日射しがまぶしい。
秋の日射しがまぶしい。
流芯よりも、手前の瀬でよく釣れた。
流芯よりも、手前の瀬でよく釣れた。
きれいだなあ。きれいだなあ。同じ星の上で同じ人間が飢えたり殺しあっている。わたしはわたしの今日をせいいっぱい暮らそう。
きれいだなあ。世界じゅうで同じ人間が飢えたり殺されたり殺している。わたしはわたしの今日を暮らす。
コロガシ竿をふりまわしているおじさん三人組。そのうちの酔っぱらったおじさん一人が近づいてきた。「おじさーん釣れる?」「ううん、おれは呑みに来たの 」。ただの酔っぱらいかと思ってため口で話していたら、このおじさんはかなりヤバい系の、地元で70年釣りしてる本物のヘンタイ釣り師だった。「フライだってやるよ。」とのこと。わたし急に敬語になったりして。そこらへんの洞察力と変わり身の早さには自信がある。
コロガシ竿をふりまわしているおじさん三人組。そのうちの酔っぱらったおじさん一人が近づいてきた。「おじさん釣れる?」「ううん、おれは呑みに来たの」。ただの酔っぱらいかと思ってため口で話していたら、このおじさんはかなりヤバい系の、地元で70年釣りしてる本物のヘンタイ釣り師だった。「フライだってやるよ。」とのこと。わたし急に敬語になったりして。そこらへんの変わり身は早い。
アユが死んでいた。たぶんコロガシのハリにかかって流されたんだろう。106号の「釣り場時評」で紹介されたように、多摩川では東京湾からの天然遡上アユの汲み上げが始まった。今年はここ浅川にも、何十年ぶりというレベルで天然アユが遡上してきている。来季はアユ釣りしようかなと思っている。
死んだばかりの生々しいアユを水辺で見つけた。コロガシのハリにかかって流されたんだろう。106号の「釣り場時評」で紹介されたように、多摩川では東京湾からの天然遡上アユの汲み上げが始まった。今年はここ浅川にも、何十年ぶりというレベルで天然アユが遡上してきている。来季はアユ釣りしようかな。
フライの雑誌 105(2015夏号): 特集 日本の渓流の「スタンダード・フライロッド」を考える。/隣人のフライボックス/60年目の養沢毛鉤専用釣り場
フライの雑誌 105(2015夏号): 特集 日本の渓流の「スタンダード・フライロッド」を考える。/隣人のフライボックス/60年目の養沢毛鉤専用釣り場
『フライの雑誌』第106号|〈2015年9月12日発行〉| 大特集:身近で深いオイカワ/カワムツのフライフィッシング─フライロッドを持って、その辺の川へ。|オイカワとカワムツは日本のほとんどどこにでもいる魚だ。最近になって、オイカワとカワムツがとても美しく、その釣りは楽しく奥深いことを、熱く語るフライフィッシャーが増えている。今号ではオイカワとカワムツのフライフィッシングを、大まじめに真っ正面から取り上げる。この特集を読んだあなたは、フライロッドを持ってその辺の川へ、今すぐ釣りに行きたくなるでしょう。 新連載 本流の[パワー・ドライ] Power Dry Flyfishing ビッグドライ、ビッグフィッシュ|ニジマスものがたり
『フライの雑誌』第106号|〈2015年9月12日発行〉|
大特集:身近で深いオイカワ/カワムツのフライフィッシング|オイカワとカワムツのフライフィッシングを、大まじめに真っ正面から取り上げました。この特集を読んだあなたは、フライロッドを持ってその辺の川へ、今すぐ釣りに行きたくなるでしょう。
新連載 本流の[パワー・ドライ] Power Dry Flyfishing ビッグドライ、ビッグフィッシュ|ニジマスものがたり

バンブーロッド教書
バンブーロッド教書 Sante L. Giuliani、永野 竜樹
淡水魚の放射能―川と湖の魚たちにいま何が起きているのか 水口憲哉
淡水魚の放射能―川と湖の魚たちにいま何が起きているのか 水口憲哉
文豪たちの釣旅  大岡 玲
文豪たちの釣旅 
大岡 玲
目の前にシカの鼻息〈アウトドアエッセイ〉  樋口明雄
目の前にシカの鼻息〈アウトドアエッセイ〉  樋口明雄
葛西善蔵と釣りがしたい―こんがらがったセカイで生きるための62の脇道| 堀内正徳
葛西善蔵と釣りがしたい―こんがらがったセカイで生きるための62の脇道|
堀内正徳