皆さんすでにご存じのように、しょうこお姉さんが出演したソニー銀行のWEB CMが本日公開となった。どこかの学校を舞台に、子どもたちを引き連れたしょうこお姉さんが、ミュージカル風に軽やかに踊りながら歌う。歌詞はこんな感じだ。
私の切り札、ドルまま。便利なカード、ドルまま。
ためた米ドル、そのまま。
アメリカでもショッピン、かんたんに。
このカードがあればOKなの。
支払いはもちろん、これなの。
私は持ってるドルまま。
便利なカード、ドルまま。
気軽にショッピン、ドルまま〜。
むろん、しょうこお姉さんファンとしては、どんなシチュエーションであれ、しょうこお姉さんのメディアへの露出は歓迎なのだと言い切りたいところだが、しかしながら、ここはあえて苦言を呈したい。2通貨機能付きクレジットカードの宣伝だそうだが、いくらなんでも、「ためた米ドル、そのまま。」は、ちょっとないんじゃないか。「おかあさんといっしょ」のうたのおねえさんに、アメリカ帝国主義の走狗を演じさせてどうするソニー。
おそらくこのCMの制作者は「おかあさんといっしょ」ソングの中でも人気の「ママゴリラ」あたりの歌詞を意識してこのCMを企画したのだろうが、残念だがそのキャスティングは、まったく失敗であったと断言しよう。
しょうこお姉さんの笑顔が無邪気であるだけに、そして歌声が「おかあさんといっしょ」時代とまったく同じように爽やかであるだけに、いやむしろ、明るい笑顔であればあるほど、爽やかに歌えば歌うほど、しょうこお姉さんがなんだか、あゝ野麦峠ではたらかされている製糸工場の少女のように哀れに思えてきて仕方ない。
19世紀のバレリーナはパトロンの庇護を求めつつ芸術を踊ったという。舞台で群舞するバレリーナを品定めして好みの一人を指差し、「あの子に決めた。」と指差す好色貴族もあったとかなかったとか。ああ、私に財力があれば、いますぐしょうこお姉さんを身請けして、資本の蹂躙から一刻も早く救いだしてあげられるのに。(矛盾してるが)
先週、「笑っていいとも」の「ザ☆定番ショー」コーナーに、しょうこお姉さんがゲスト出演していた。そこでしょうこお姉さんは、ほんとうに、ほぼ全くと言っていいほど、出演者たちのトークに参加できなかった。司会者の「色白いですねえ」という振りにも、「いえ、えへへ」とうつむき加減に笑うのみだった。その横顔は、フィッシュ・オン王禅寺で釣り上げられたイトウ以上に切なくて、私はテレビから目をそらしてそっと涙を拭った。