ちゃぶ台から歩いて3分のパライソ

10代のころは、魚の顔を見られるだけでしあわせだった。フライフィッシングで魚が釣れること自体が、キセキだった。つまり自分は神であった。

20代にはいると、もっといい釣りをするには遠くへ行かなければならないと思った。遠くへ行けばなにかがあると信じて走り回った。

30代になっても走り回っている内に、ふと気づいた。いろんな釣りを知れば知るほど、フライフィッシングがたのしくなると思っていた。でもどうやらそうでもないらしい。すくなくとも自分の場合はちがうみたい。

40代になると、自分のメインの釣りがフライフィッシングでよかったと思った。フライフィッシングなら、パライソはそこいらじゅうにある。掘っても掘っても底がない。それはジゴクの釜のフタの上に暮らしているということと同じだけれど。

そしてさいきんまた、フライフィッシングで魚が釣れること自体、ものすごくキセキ的なことなのだ。やっぱり自分は神だったんだと、あらためて思い直している。

ちゃぶ台から歩いて3分のパライソ
ちゃぶ台から歩いて3分のパライソ、その美しき門番
こんなハヤ一匹釣るのにもフライフィッシングなら全宇宙的にあれこれ悩める
こんな銀バヤ一匹釣るのにもフライフィッシングなら全宇宙規模であれこれ悩める
釣れたよー
釣れたよー
『フライの雑誌』最新101号記念号|第101号はカラー大増ページ&特集が3本立て
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tomonokai

葛西善蔵と釣りがしたい
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