もうすぐ次号第106号の入稿だというのに、まだ届かない原稿がある。106号については、いつもより一ヶ月も早く編集作業に入っていた。雑誌づくりでは多くの人にご協力をいただく。みなさんのご理解と善意で一冊の雑誌ができあがる。もちろん編集部の身を削る努力も必要だ。でもだれかが原稿を遅らせると、理由はどうあれ、それだけで入稿できない。せっかくの準備がだいなしになってしまう。
うちはページをカネで売って誰かの提灯を持たない。雑誌は読者の皆さんの身銭に支えられている。1700円は安くない。発行日が遅れれば大切な読者にご迷惑をかける。ほとんどの読者は旦那衆のゆとりで、「まあ、がんばんなさいよ。」と言ってくれる。でもそんな温かい言葉に甘えてはいけない。ついどこかの首相みたいに「まぁいいじゃない、それくらい。」とおだてばすぐに見離されるのは、分かっている。
だれの原稿が届かないのか。納得できるわたしの原稿が届かない。後ろから前からどうぞとか言ってる場合ではない。こんなときは釣りに行くしかない。