どヘンタイなのにさわやか。

20年以上のおつきあいのあるフライフィッシングの大先輩から、まったくもって熱すぎる原稿を預かった。フライフィッシングへのたぎる想いを筆先へ凝縮して、天衣無縫、自由闊達に四方八方へ飛び散らしている。文面から色んな汁がビンビン飛んでくる。

何年も前に、下書きの下書きの状態を読ませてもらっていて、これは面白いからぜひガンガン書き進めてくださいとお願いしていた。その原稿がようやく具体的な姿を現したというわけだ。

中身がこれだけ熱いのに、視線とアプローチ方法はひじょうに冷静でロジカルなところがまたいい。腕利きフライフィッシャーゆえに到達できた境地だ。どヘンタイなのに清々しい。自分のちっぽけさに自分で酔ってそのまま垂れ流す自家中毒とは次元がちがう。そこがセンスというものです。

完熟発酵した〝頭がフライフィッシングになっちゃった人〟のフライフィッシング愛にまみれた、きわめてめずらしくてエモーショナルな読み物です。こういう上質で楽しくてどヘンタイな文章は、『フライの雑誌』の第100号にどーんと載せたいと思います。

いまざっと読ませてもらっただけで何度も吹き出してしまった。随所で膝を打ちすぎて皿が割れそう。

どうぞお楽しみに。

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