ひゅるひゅるひゅるとラインをのばす。

というわけで金曜日、土曜日と2日続けて東京へ行った。ヒト多すぎる。ほんの10年前まで新宿に事務所があって(二丁目だけど)、自分もこの人混みの中を負けじとカッカッ、カッカッと勇ましく闊歩していた(自己申告)のが、うそのようだ。今はオイカワが友だちだ。

おかげさまで『フライの雑誌』第110号校了した。今号も出しきった。毎号出すごとに限界値が上振れする。あー、釣りしたい。これだけ年じゅう釣り漬けでまだ釣りしたいのは、やっぱわたしはなんかおかしいのだろう。

校了時、これを読んだらしい東京印書館さんの凄担当Oさんが、「私プログレ者で。カンタベリー好きで。」とニコニコ顔で言ってきた。だからわたしプログレ苦手なんですって言ってるじゃん。酔うから。

グニョグニョしたプログレとかワーグナーとかサイケとかフリージャズとか苦手なの。小学生の時に初めて買ったLPはYMOなの。次に買ったのは堀ちえみなの。さらにその次はさだまさしなの。もっとも今は「さだまさしでも聴いてろ」は、「ピザでも食ってろ」と同レベルの罵倒だと思ってる。

先日、初対面の酔っぱらいのおじさまに公の席で絡まれた。わたしは大人のふりをしてロープつかんで堪えた。このおじさまは他の参加者に対しても、レストランのお運びのお年を召したお姉さんに対しても、態度がやたら横柄だった。他人にたいして失礼な酔っ払いは嫌いだ。とても楽しい夜だったのにな。世の中にはいろんな人がいる。

阿佐ケ谷吐夢へ移動して、クールダウン。ジンとニックを2杯頼んだら気分が落ち着いた。知らないひとと大勢も楽しいけど、やっぱり一人で吐夢のカウンターにいるほうがいい。集団の中で自分の身の置きどころを見つけるのが、つくづく苦手だ。オイカワ釣ってるほうがいいや。(とまた逃げる) 結局翌日昼まで二日酔い。うええ。

校了祝いの岩手三陸アワビナイト。ヒャッハー。吉浜漁協さんのホタテ通販は他の人にも紹介したり。
校了祝いの岩手三陸アワビナイト。ヒャッハー。前も書いたけど三陸・吉浜漁協さんの通販はつよくお薦めしたい。
20日、上州屋八王子店さんの無料フライタイイング教室。いい雰囲気だった。フライの雑誌印のノベルティを勝手に持って行ったら皆さん喜んでくださってうれしかった。
20日、上州屋八王子店さんで高橋章さんの無料フライタイイング教室。いい雰囲気だった。フライの雑誌印のノベルティを差し入れたら皆さん喜んでくださってうれしかった。
夕方前の川へ行った。
夕方前の川へ行った。
ひゅるひゅるひゅるとフライラインをのばす。
ひゅるひゅるひゅるとフライラインをのばす。横の人が撮ってくれた。
フライはこんなの。ストレッチ式アイカザイムの20番。もっと小さいほうが魚の出はよさそう。
フライはこんなの。ストレッチ式アイカザイムの20番。もっと小さいほうが魚の出はよさそう。
横の人に「あそこで出るからね。」と言ってキャストして、出して、あわせがうまく行った一匹。どうでええいい。
横の人に「あそこで出るからね。」と言ってキャストして、出して、あわせがうまく行った一匹。どうでええいい。
冬のオイカワを「清流のナイフ」と書いたのは『Angling』第3号(1984年)。この季節のオイカワは小さなサーベルみたいだとわたしも思う。
冬のオイカワを「清流のナイフ」と書いたのは『Angling』第3号(1984年)。この季節のオイカワは小さなサーベルみたいだとわたしも思う。
『Angling』第3号(1984年)で紹介されていた「2番・3番ロッド」の価格。オービスの突出ぶりが目立つ。ティムコさんが相当儲けていたと思われる。
『Angling』第3号(1984年)で紹介されていた「2番・3番ロッド」の価格。オービスの突出ぶりが目立つ。どこかが儲けていたと思われる。
この記事。「もし一人でも犠牲になったら海外での活動は終わりだと思う」。いや、一人でも死んだら「誰それの死を無駄にするな」とさらにとことん兵隊突っ込むのが大和魂というもの。歴史が証明している。そもそも「自衛官が一人でも死んだら」って、まずその仮定をやめたほうがいい。官僚さんと政治家とマスコミはとっくに誰かが死ぬ予定を組んでるだろうけども(対策していなかったらそれはそれで怒られる)。もし身近な誰かに「ぼくは国のために死ぬ覚悟で行くんだ」って言われたら、わたしは「オイカワ釣り楽しいよ」と言う。
こういう記事がふつうに出てくるような最近の世の中の風潮に対しては、同時代の年寄りとして何か言っておかないといけないと思っている。「もし一人でも犠牲になったら海外での活動は終わり」。いや、一人でも死んだら「誰それの死を無駄にするな」と、とことん兵隊突っ込むのが大和魂です。歴史が証明している。政治家と官僚は、自衛隊の誰かが死んだときへの対応策も万端なはずだけど(準備していないと怒られる。)、そもそも「自衛官が死んだら」って仮定がおかしい。人の命だよ。もし身近な誰かが「ぼくは国のために死ぬ覚悟で行くんだ。」って言うなら、わたしは「オイカワ釣り楽しいよ。」と言う。何度でも言う。楽しい釣りの本をへらへらと作っているだけの、世の中にはなんの役にも立たないどうでもいい年寄りにできるのはそれくらいです。そのかわりしつこいよ。

『葛西善蔵と釣りがしたい』第二章[釣り日記はいらない]会員限定で公開中。
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