10歳児が算数の宿題ドリルで、腹にちょっとした凹みのある立方体の体積計算を解いていた。明らかに必要以上に複雑で、ものすごく難解な、相対性理論みたいな式を用いている。
「おまえ宇宙の謎でも解いてんのか。間違ってんだろよ」と、ドリル巻末の答えを見たら合っている。
「式が違っていても答えが合っていればいいんだ」と平然としているこの子は、オボカタさん並みの超天才なのか、ただのできない子なのか。
そもそもわたしは、ドリルの後ろの方を見ないと、答えが合っているかどうかすら分からない。答えと解説を見ても分からないのだから、もうほんとに分からない。
立方体の腹に凹みなんかつくるなよと言いたい。
いつのまにこんなことになってしまったのか。
今日の夕方はハヤ釣りにでも誘うか。ハヤ釣りならぜったい勝てる。
川と魚の謎なら、わたしのほうが知っている。
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