休暇のあいだ、東北方面をぐるぐる回っていた。大雨の影響でどこの川も釣りにはきびしい状況ながら、川を渡る橋があればついつい水面をのぞき込むのは、正しいフライマンの行動だ。
そんな道中、宮城の山中で、「国内初!ジャンボエビ釣り」と書いた建て看板を道端に発見した。ちょっと気になりつつ、なおも車を走らせると、「国内初!ジャンボエビ釣り」、「国内初!ジャンボエビ釣り」と、進行方向にいくつもいくつも看板が建てられている。ものすごい営業力だ。
個人的になんでも「初めて」が好きである。しかも「ジャンボエビ釣り」とは聞いたことがない。少しだけ覗いてみようと思い、試しに看板の誘導する小道へハンドルを切ってみた。すると道はどんどん細くなってやがて林道になってしまい、なおも「国内初!ジャンボエビ釣り」、「国内初!ジャンボエビ釣り」の看板が奥へと続いている。
「このまま行き止まりになったら、ジャンボエビ釣りするしかないじゃん。」と思いつつこわいもの見たさで進んだら、本当に行き止まりになった。で、目の前には「ようこそ!ジャンボエビ釣り」と書いた入り口ゲートが。注文の多い料理店のようではないか。
ここまで来たら、もう本当にジャンボエビ釣りするしかないぞ。私は腹を決め、道場破りのような気持ちで、ゲートをくぐった。(つづく)
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