9月23日に行われた、2011信濃大町テンカラミーティング&講習会(長野県信濃大町・高瀬川)の様子。水産総合研究センターの中村智幸氏が指導しながら、沢筋へイワナの人工産卵場を造成しているところ。
「親魚さえ来てくれれば、まちがいなくここに産卵してくれるでしょう」(中村氏)とのこと。
人工産卵場は渓流魚の増殖に有効だが、けっして万能ではない。近年のブームとも思えるような人工産卵場作りには、中村氏も疑問を呈している。
くわしくは渓流魚の人工産卵場作りを日本で初めて紹介したイワナ本の新定番、『イワナをもっと増やしたい!』(フライの雑誌社新書/中村智幸著)をお読みください。
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キャッチ・アンド・リリースが流行だとなれば、釣り堀みたいなキャッチ・アンド・リリース区間をつくって、どやと胸をはる。今度は人工産卵場が注目されているとなれば、川の状況を問わずに、せっせと川床をほじくりかえしだす。
そんな疑問符つきの「釣り場づくりの立役者」を各地に散見する。そしてそれを持ち上げる考えなしの媒体も。
そこらへんのナンセンスさはいずれ『フライの雑誌』の記事にしたい。また嫌われるかな。しかし誰かがはっきり言っておかないと、日本の渓流釣り場が息苦しくなってしまうような気がする。
色んな意見があった方がいい。たのしい釣りなんだから。