雨続きで気分がふさぐ。オイカワ釣りのことばかり考えていて仕事にならない。だけどオイカワのことを考えるのが差し当たっての今の仕事だ。自分で状況がよく分からない。とりあえずすすむしかない。ということで、いい本をつくるために雨の合間をぬって、オイカワ釣りとか(結局釣りか)、プロレスとか(関係ないでしょ)行っている。
下の方で写真で紹介。
先ごろ閉店を発表していた札幌の書店の、破産のニュースを知った。閉店・廃業と、閉店・破産はぜんぜん意味が違う。切ないのは同じ。
それで思い出した。大昔の話だ。
わたしが取り引きしていた広告会社がつぶれた。あきらかに計画倒産だった。わたしの事務所もいくばくかの、いまにして思えばとんでもない金額の工事代金を、未払いのまま逃げられた。わたしが被って協力会社さんへ代金を支払った。
半年後、別のもっと大きな客先の会社の一社員として、その元社長がふつうに出てきた。わたしを見ても白ばっくれている。あいかわらずのケバくてくさい厚化粧と、痛んだ髪の毛、空々しい笑い声、そわそわと落ち着きのない目線だった。
わたしは自分に人を見る目がなかったと諦めて、その大きな会社の仕事をするのはやめた。さらに一年後、その大きな会社もつぶれた。
こういうのは、規模は小さいけど釣具の業界でもよくある話だ。先日、かつてうちの本の代金をためこんだまま(ごくごく少額なのに)未払いで逃げた、フライショップ兼メーカーの元社長のおじさんに、たまたま会った。西の方の湖のほとりで。
ボート屋さんのおじさんになっていた。
せっかくの釣りなのに気分がわるくなるのはいやだ。目が合って(ああ、逃げた人だ)と分かったけど、わたしは白ばっくれた。でも、そのおじさんも一緒になって白ばっくれて、自分の船のお客さんと平然と楽しげに釣りの話をしているのには、まいった。
とてもとてもかないません。と思った。