『日本の歴史』(井上清/岩波新書)の上中下巻を通勤電車の往復で3か月かかって読了。現代に近くなるにつれアジテーションがきつくなりむすびではマルキシズムばりばりに民主・平和・独立を連呼する。ソ連崩壊、資本主義中国勃興後の現代をこの書の視点で読み解くのは無理だが、初版から40年たった今でも書き手の熱が行間に活きづいているのが58刷を数えるロングセラーの理由だろう。もっと早く読んどけばよかった。関係ないがむかし友人が開いた現代文学のゼミで何回目かの目玉が今週亡くなったヴォネガットの『スローターハウス5』だった。私は『ローズウォーターさん〜』の方が好みではあった。なぜか今日は背後から中島みゆきが流れてきそうな茫漠たる時代感にとらわれている土曜日の昼下がりの情事である。(情事はない)