シマザキフライは一目で分かる。

『フライの雑誌』第75号に登場いただいた島崎憲司郎氏がリリースしたDVD3部作の第3作「ザ・シマザキ・イノベーションVOL.3 シマザキ・ウイングス編」(つり人社刊)を見た。3つのシマザキフライ、「マシュマロピューパ」、「バックファイヤー・ダン」、「アグリーニンフ」のタイイングシーンが記録されている。見栄えのするフライをちょっとキレイに巻けても、よくできてますねぇと素人さんに感心されるのが関の山で、ものほんの釣り師の心臓へはズッキューンとは刺さらない。DVDで紹介されている「アグリーニンフ」の見かけはuglyだが、キレイ系と並んでぶら下がっているときに、魚はぜったいアグリーの方を食うだろうと思わせる何かがある。そこがフライタイヤーと毛鉤職人が産み出すフライの違いである。こればかりは持って生まれた資質と生きてきた人生の重さの違いなので、残酷なようだがどうしようもない。
シマザキものの完コピはできないが気は心で巻いた「おれのアグリー」でもそれなりの実績があるのダ、と第75号へ自慢げに書いてしまった。エアギターみたいなものだ。