セシウム、餌から取り込み ヤマメの飼育実験で確認(共同)

東京電力福島第1原発事故による水産物への影響を調べている福島県内水面水産試験場(同県猪苗代町)は20日までに、餌を通じて放射性セシウムが魚体に取り込まれていることをヤマメの飼育実験で確認した。
 塩類を積極的に体外に排出する海水魚に比べ、体内に塩類を保とうとする淡水魚は放射性物質を蓄積しやすいとされているが、餌による影響が具体的に裏付けられた。
 同試験場は「今後は、汚染されていない餌を魚に与えることで、セシウム濃度がどう下がっていくのかを調べたい」としている。(共同)

福島県内水面水産試験場さんの仕事。こういう系統の研究って、あたりまえの推測の〈具体的な裏付けをとること〉そのものですね、などと生半可は言わない。3・11以降に重要で必要な立派な水産研究だ。

最新号の『フライの雑誌』にも書いたけれど、原発事故は水産研究者が積み重ねてきた〈健康で安全な魚をふやしたい〉という不断の努力をも、無にした。気の毒なのは実験材料にされたヤマメだけではない。

ただし、研究者が受け身のままでは世の中はなにも変わらない。そのことは、おそらく研究者自身がいちばんよくわかっていると思う。