じつは今回出た最新第82号から、『フライの雑誌』の表紙仕上げを、少し変えた。『フライの雑誌』の表紙には、極薄のPPフィルムという保護フィルムを貼ってある。そのPPフィルムは、今まではマットのツヤけし仕上げだったのだが、今回からグロス仕上げ、より専門的に言えば、ツルっとした仕上げに変更した。
マニアック度では世界で一番な読者さんに支えられている『フライの雑誌』なので、さっそく何人かの方から、表紙仕上げの変更について、ご意見をいただいた。例えば、まず、「前の方が落ち着きがあってよかった」。予想していた感想とはいえ、犯人としては、グサッと胸を貫かれた思いである。
次いで、「なんか高級感がでた」。グロス仕上げの方が写真の発色は良いのです。さらに、「ふつうの雑誌みたい」。現在、書店に並んでいる商業誌の90%以上がグロス仕上げで、じつは、マット仕上げのPP貼りをしてくれる加工屋さんは、最近とても少なくなっている。その意味では「ふつうの雑誌」というのは的確な指摘だ。編集部としてもやっと人間になれたかと感慨深い。
『フライの雑誌』の創刊当時の表紙は、グロス仕上げだった。そのことを知っている方は、いまどれだけいらっしゃるだろう。1987年の創刊号から1992年の第19号までは、ツルっと仕上げで、以降は、前回の第81号までマットがつづいてきた。だから今回のツルっと革命は、いわば先祖帰りみたいなものだ。歴史をふまえての心機一転を試みてみた。
と、いかにもえらそうなことを言っているが、じつは、「グロス仕上げは第19号まで」、という事実は、とある読者さんからのご指摘で、昨日はじめて教えられたことだった。わざわざバックナンバーを引っ張りだして調べてくださったのだという。さすが『フライの雑誌』の読者さんはやはりマニアック度では世界で一番、いや宇宙で一番である。
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