ニレ池フィッシングセンターさんが『文豪たちの釣旅』を紹介してくださった。(2)

> 読んでほしい(1)から続く

さて、ニレ池へうかがった7年前のその日、じつは私の☆タマ袋は、なぜか通常の3倍にはれあがっていた。原因不明。巨大にふくれた☆タマ袋が股にこすれないように、超ガニ股にならないと痛くて歩けない。釣りしているときはまだなんとかガマンできたのだが、帰るころにはさらに倍になっていて、帰りの高速バスの車中では「おれもここでおしまいか」と、巨大な☆タマ袋をさすった。

ほうほうの体で夜半に帰宅して体温を測ると40度ちかくあった。☆タマ袋はさらに巨大化して内部が熱くたぎっている様子だ。あうう。

ひと晩我慢して翌朝近所の総合病院を受診した。歩けないのでタクシーで病院へたどりつき、苦しい息の下で「私の☆タマが…」とズボンを脱ぎはじめたところ、おじさんの医者はあからさまにイヤな顔をした。そして「だったら泌尿器科へ行ってよ〜」とひとこと。

私は「そうですか」と言ってせっかく脱ぎかけたズボンをもう一度履き直した。せっかく巨大化した☆タマ袋を見ようともしてくれないとはあまりにショックだ。せめてズボン脱ぐ前に言ってほしかった。

体を引きずるようにして調布にある泌尿器科専門の小針クリニックさんへ移動。半べそかきながら入患。ほどなく出てきてくれた小針先生は、下半身裸の私を前にして、ぱちんぱちんとゴム手袋をはめた。そして腫れものにでも触るように(まさに腫れものなのだが)、そうっと私の☆タマ袋をさわった。あう。そんなのはじめてです。

小針先生は「ああ、これはナントカかんとかだね」とずばり診断。そのままベッドに横になって腕から点滴注入。遠くなっていく意識の向こうで、☆タマ袋の腫れがすうっとひいていくのがわかった。

いまわたしの命と☆タマ袋があるのは、そのときの小針先生のおかげなのです。

って、だからなんだという。