日本のフライショップの大老舗、つるや釣具店さん主催のハンドクラフト展へ行ってきた。今年で21回目を迎えるそうだ。この時期、渓流解禁前のハンドクラフト展はすっかりフライマンの風物詩になった。年に一度、地方在住の釣り仲間がハンドクラフト展の会場で顔を合わせて歓談するという話もよく聞く。
世の中は不景気だとかモノが売れないとかますます言いまくっているが、実態はどうなんだろうか。今日行ってきたハンドクラフト展は、ここ数年ではまちがいなく一番の人出だった。朝から雨模様で釣りにも行けず、人気の浅草会場開催という要素もあったのだろうか。私は午後早くに会場へ着いたのだが、午前中はなんと人ごみで通路を歩くのもたいへんだったとか。
人間の動きとモノの動きは一致しないとはいえ、人間が動いて初めていろいろモノが動き出す。興味深かったのは、会場にはいつになく子どもの姿が多かったことだ。年の頃は小学校高学年から中学前半くらいまでの、10代前半の子どもらが目立った。
展示者も客も盛んに会話して活気が充溢している広い会場のなかを、子どもらは目を輝かせてあっちへうろうろ、こっちへうろうろしながら、山と積まれたモノを興味深そうに眺めていた。フライフィッシングにまつわるあれやこれやが、珍しもの好きの子どもらの何かを刺激したのだろう。
大人が面白がるものは子どもも面白がる。大人が「フライはもうだめだよ」と愚痴れば子どもも「フライはもうだめなのか」と思う。当たり前の話だ。だいたい何が「だめ」だっていうんだい? 今年のハンドクラフト展にはフライフィッシングとその周辺の遊びを面白がろうとする人々の熱と希望が溢れていた。ネガティブとビンボーは伝染るんです。気をつけたい。
ところで子どもらはフライマンのお父さんといっしょに来たのだろうか。・・・まさかおじいさんと?
ハンドクラフト展は14日まで開催。